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聖火お披露目式で五輪の本質表す光景…小池百合子、松岡修造ら来賓はテントで雨をしのいでるのに「手話通訳」は外で濡れながら進行

聖火お披露目式で五輪の本質表す光景…小池百合子、松岡修造ら来賓はテントで雨をしのいでるのに「手話通訳」は外で濡れながら進行の画像1
オリンピック・パラリンピック準備局(YouTubeチャンネル)より


 緊急事態宣言下での五輪開催という常軌を逸した日本政府や東京五輪組織委員会、IOC(国際オリンピック委員会)の決定に対し、「いったい誰のための東京五輪なのか」という疑問があがりつづけている。「平和の祭典」を謳いながら、その実態は国民の命と安全を軽視したものにほかならないからだ。

 そんななか、そうした東京五輪の本質を表す、あるネット記事が話題を集めている。

 それは、「ニュースサイトしらべぇ」が10日に配信した「五輪関連イベント、雨の中「手話通訳」続ける女性に報道陣からも心配の声」という記事。9日に聖火が大会開催都市である東京に到着し、駒沢オリンピック公園総合運動場で「聖火お披露目式」が開催されたが、このとき会場では雨が降っていたにもかかわらず、来賓はテント内に収まる一方、中継用の手話通訳を担当した女性は風雨にさらされ、取材カメラマンからも〈「屋根の下に入れてあげたらいいのに…」「“平和の式典”ってなんなんだろう(笑)」という声まで上がる始末だった〉と伝えたのだ。

 そこで、この「聖火お披露目式」の様子を東京都オリパラ準備局のYouTubeチャンネルの動画で確認してみたが、記事は事実だった。同式典は小池百合子・東京都知事や松岡修造氏、パラリンピックメダリストで聖火リレー公式アンバサダーの田口亜希氏、関係者らが参加し、約40分にわたって聖火の受け渡しや記念撮影がおこなわれたが、運動場に組まれたステージの上には小さなテントがひとつ。来賓者らは登壇するとテント内に入ったが、一方で司会と手話通訳の女性はステージ上のテントの外に立ち、雨合羽も傘もないまま、雨に濡れながら進行と手話をつづけたのだ。

 来賓はテント下で雨風をしのぎ、司会者と手話通訳の女性は服を濡らし、傘を傾けられることもなく黙々と進行をつづける……。この式典を実施したのは東京都だが、司会者と手話通訳者が雨に打たれつづける場に居合わせた小池都知事を筆頭に、区議会議員ら政治家たちは、その光景に疑問を持たなかったのか。

 しかも、この目に余る「不公平」を伝えたのは同記事だけで、新聞でもテレビでも報じられていなかった。そのため、ネット上では記事が拡散され、こんな意見が飛び交ったのだ。

〈「おもてなし」どころか「おもいやり」のカケラもない〉
〈事前イベントでさえこの通り。大会が始まったとしたらボランティアや現場担当の人々はどんな扱いを受けるのだろう〉
〈もうこれ障害者差別の地繋がりじゃん…酷すぎて愕然とした〉
〈誰1人として傘を持って横に立つ人が居ないとは〉
〈オイラやっぱりあの場であの手話通訳の方に傘を差し掛けられるような人間がたくさんいる社会に住みたいしそういう人間になりたいよ〉
〈手話通訳者に傘をさしてあげるとか屋根のあるところでやってもらうとかの配慮ができない理由が全然分からない〉

 あまりにも当然すぎる意見といっていいだろう。しかも、この一件はけっしてこれだけの問題ではない。なぜなら、権力者や利権関係者たちだけが守られ、手話通訳という役割の人がないがしろにされていたこの風景は、東京五輪の本質を表すものだからだ。

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