ウガンダの飛行機同乗者、フランスの関係者、ガーナ、エジプトの選手やコーチの感染も隠蔽
ご存じのとおり、海外選手団の入国をめぐっては、6月19日に成田空港に到着したウガンダ共和国の選手団9人のうち1人がPCR検査で陽性だったことがわかったが、残りの8人はPCR検査も濃厚接触者の調査・判断もしないまま事前合宿地の大阪府泉佐野市へ夜行の貸し切りバスで移動し、その後、移動した泉佐野市で1人が陽性と判明。濃厚接触者の調査もせず、さらには濃厚接触者の判断をどこがおこなうのかを内閣官房と検疫を担う厚労省ですり合わせもできていなかったことが野党合同ヒアリングで露呈するなど、東京五輪への不安はさらに増幅することとなった。
「万全の感染拡大防止対策」という掛け声とは大きく食い違うドタバタを繰り広げたばかりなのだから、来日した選手団から陽性者が出た場合、すみやかにその事実を公表し、どういった対応をとるのかを明確に発表するべきだ。
ところが、「安全安心」と言い張るのであれば当然おこなわれるべき当たり前の対応がとられず、マスコミが関係者取材をもとに報じてから、それを政府が認めるかたちとなったのだ。
この件ひとつとっても政府の隠蔽体質が表れているが、実際これまでも、政府も組織委も、東京五輪にかんする「不都合な事実」を隠し、追及を受けるまでオープンにしようとしてこなかった。
たとえば、ウガンダ選手団に陽性者が確認された問題では、7月1日になって、じつは選手団と同じ飛行機の一般搭乗者に陽性者が1人見つかっていたことがわかった。これは政府や組織委が強調する「バブル方式」が来日前に弾けていることを示す重要な問題だが、しかし、一般搭乗者に陽性者がいたことは政府や組織委が自ら発表したのではなく、立憲民主党が厚労省に確認した上で明らかにしたものであり、同日の自民党外交部会でも問題になっていたのだ。
さらに、6月28日になって政府は、東京オリパラに関連して来日した選手や関係者の陽性者について、ウガンダ選手団の2人以外にも、2月以降、フランスの大会関係者やエジプトのコーチ、ガーナの選手、スリランカのスタッフ4人の感染が確認されていたこと、そのなかには政府が濃厚接触者の有無を把握できていないケースがあったことが明らかになった。だが、これも政府が自ら公表したのではなく、同日におこなわれた野党合同ヒアリングで、野党側が事前に通告していた質問に対して内閣官房のオリパラ推進本部事務局担当者が答えたものだった。