官房長官時代の菅首相がセガサミー会長に買収資金提供を懇願!「足はつきません。国税も大丈夫」
本サイトでは繰り返し言及してきたが、東京五輪をめぐっては招致委員会がIOCの委員だったラミン・ディアク氏の息子であるパパマッサタ・ディアク氏が関係するシンガポールの会社「ブラック・タイディングズ社」(BT社)の口座に招致決定前後の2013年7月と10月の2回に分けて合計約2億3000万円を振り込んでいたことが判明。さらに2020年9月にはBT社の口座からパパマッサタ氏名義の口座や同氏の会社の口座に2013年8月〜14年1月までに約3700万円が送金されていたことが、国際調査報道ジャーナリスト連合などの取材によって判明した。
パパマッサタ氏の父であるラミン・ディアク氏は五輪開催地の決定においてアフリカ票の取りまとめに影響力を持つ有力委員だった。そんなラミン氏の息子・パパマッサタ氏が深くかかわると見られるBT社の口座に対し、東京への招致が決定した2013年9月7日のIOC総会の前後におこなわれていた招致委からの約2億3000万円もの送金と、招致委からの送金の直後におこなわれていたBT社からパパマッサタ氏への送金──。しかも、2019年1月にはフランス当局が招致の最高責任者だった竹田JOC会長を招致に絡む汚職にかかわった疑いがあるとして捜査を開始したことが明らかになり、フランス当局による捜査はいまも継続中だ。
しかも、この招致買収疑惑については、さらに深い闇がある。当時、官房長官だった菅首相がセガサミーホールディングスの里見治会長にこんな依頼をしたと言われているからだ。
「アフリカ人を買収しなくてはいけない。4億~5億円の工作資金が必要だ。何とか用意してくれないか。これだけのお金が用意できるのは会長しかいない」
「嘉納治五郎財団というのがある。そこに振り込んでくれれば会長にご迷惑はかからない。この財団はブラックボックスになっているから足はつきません。国税も絶対に大丈夫です」(「週刊新潮」2020年2月20日号/新潮社)
「嘉納治五郎財団」とは、森喜朗・組織委前会長が代表理事・会長を務めていた組織。この菅官房長官からの言葉を受け、里見会長は「俺が3億〜4億、知り合いの社長が1億円用意して財団に入れた」「菅長官は、『これでアフリカ票を持ってこられます』と喜んでいたよ」と語っていた、というのだ。
なんとも衝撃的な証言だが、しかもこれは“酒席でのホラ話”ではなかった。というのも、「週刊新潮」の取材に対し、セガサミー広報部は「当社よりスポーツの発展、振興を目的に一般財団法人嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センターへの寄付実績がございます」と嘉納治五郎財団への寄付の事実を認め、さらに「週刊新潮」2020年3月5日号では嘉納治五郎財団の決算報告書を独自入手し、2012年から13年にかけて2億円も寄付金収入が増えていることを確認。関係者は「その2億円は里見会長が寄付したものでしょう」と語っている。
もし、里見会長に買収のための資金提供を依頼していたのが事実ならば、菅首相は官房長官という国の中枢の要職に就きながら五輪の招致を金で買うというとんでもない悪事に手を染めていたという世界を揺るがす一大スキャンダルだ。しかし、フランス当局が捜査に乗り出すという異常事態に陥っているにもかかわらず、とくにテレビではこの買収疑惑が掘り下げられることもなく、いまに至っているのだ。
東京に招致が決まった黒い内幕を聞かされた宮本氏は、「それからです、透明性のない現実の恐ろしさを知ったのは」「五輪は美辞麗句を盾にした、生半可じゃない利権だらけの集合体だったのです」と述べているのだが、こうしてその「利権集合体」はいま、臭い物に蓋をしつづけ、ついには世界的パンデミック下で“金で買われた五輪”を強行開催しようとしているのである。その闇を垣間見た宮本氏は、だからこそ、この現実を前に、「このパンデミック禍でなぜ今、五輪をやらなければいけないのですか?」と声をあげているのだろう。