加藤浩次はジャパンライフ山口会長の「桜を見る会」招待を擁護
悪徳マルチ商法のジャパンライフ会長が「桜を見る会」に「総理枠」で招待されていた問題で、爆弾級の事実が明らかになった。「桜を見る会」招待の約半年前、消費者庁が政治圧力で立入検査などを取りやめていたというのだ。しかも、消費者庁には、そのことを裏付ける森友学園問題のときとそっくりな文面の内部文書が存在していた。
まず、簡単にジャパンライフと「桜を見る会」の問題点をおさらいしよう。本サイトではたびたび言及してきたが、ジャパンライフは磁気ネックレスの預託商法などを展開、悪徳マルチ商法として社会問題になってきた会社であり、1985年には国会で「ジャパンライフ問題」として集中審議がおこなわれたことまである。そして、2014年9月には消費者庁から文書で行政指導を受けていた。
にもかかわらず、このジャパンライフの創業者で当時会長である山口隆祥氏が、2015年4月の「桜を見る会」に招待される。そして、ジャパンライフはこの招待状と安倍首相の顔写真を宣伝チラシに載せ、〈安倍晋三内閣総理大臣から山口会長に「桜を見る会」のご招待状が届きました〉と大々的にアピール。ジャパンライフはセミナーでこのチラシをスライドに大写しにし、勧誘に使っていたという。
ジャパンライフの被害者の多くは高齢者であり、安倍首相と山口会長の関係を証明するこの招待状の存在はジャパンライフに対する信頼材料になった。実際、定期預金などを解約して家族とともに約2100万円を投じた60代女性は、「すごい政治家と付き合っているんだなと、誰も疑わなかった。まんまと口車に乗せられた」と証言している(朝日新聞デジタル28日付)。
しかもここにきて、この宣伝チラシに掲載されている山口会長の招待状に記された「60」という番号が、「総理・昭恵枠」であることを示す招待区分の数字ではないかということが内閣府作成の2015年の仕様書から発覚。つまり、安倍首相あるいは昭恵氏が山口会長を招待していたとみられているのだ。
悪徳マルチ商法の会長を、安倍首相あるいは昭恵氏が直接招待していた──。これは非常に大きな問題だが、しかし、昨晩放送の『報道ステーション』(テレビ朝日)では、金曜コメンテーターの野村修也弁護士が「『桜を見る会』に呼ばれたときは2015年の春で、まだ行政処分を受けていなかったんですね」「消費者問題における行政指導というのは、かなり多くの会社に対して頻繁におこなわれてます」「招待を総理枠でおこなったとした場合のその責任について、あの時点でどういう対応をとるべきだったのか」などと発言。本サイトでも既報で紹介したように28日放送の『スッキリ』(日本テレビ)でも、司会の加藤浩次が「4年前にそういう人を入れていたということもアウトなのか、4年前は普通にマルチの商売をしている会長が来たということで、結果そういうことになったという考え方をするのか」などとコメントしていた。
ようするに、「桜を見る会」に招待した時点では行政指導がおこなわれていたにすぎず、「普通にマルチの商売をしている会長」を呼んだだけで、それを問題にするのはどうなのか。そう主張したいらしい。
だが、昨日29日におこなわれた参院・地方創生及び消費者問題に関する特別委員会で、こうした安倍首相擁護の詐術を完全にくつがえす事実が指摘された。いや、そればかりか、逆に安倍政権がジャパンライフの被害を拡大させていたことを裏付ける決定的証拠が明らかになった。