安倍政権で民主党時代より倍増、83億円に膨れた政府広報予算! その半分が電通に
いったいなぜ、政府の補助金事業を広告代理店である電通がことごとく受けているのか。理由の一つとしてあがっているのが、元電通社員 A氏と経産省や中小企業庁の癒着だ。
「A氏は元電通社員ということになっているが、完全に電通の代理人。このA氏が旧知の中小企業庁長官・前田泰宏氏と組んで、経産省関係の補助金事業を電通に流すというスキームをつくったといわれています」(全国紙・政治部記者)
しかし、この問題にはもっと大きな背景がある。それは、電通と安倍政権、自民党との癒着関係だ。実際、安倍政権下では経産省の補助金事業だけでなく他省庁の補助金事業、さらには「政府広報」でも電通への依存が急増している。
政府広報とは、内閣府政府広報室が手がける政府広報、すなわち宣伝、PR活動のこと。テレビCMや新聞・雑誌の広告、ラジオ番組、ネットなどのメディアを使い、国家の“考え”を国民に広く伝えるというものだ。
この予算が第二次安倍政権発足以降、どんどん増額され、2014年度には約65億円、2015年度には約83億円にまで膨れ上がった。事業仕分けによって政府広報費を削減した民主党政権時が約41億円だったから、この数字はその倍以上となる。
そして、この80億円を超える費用の約半分が、なんと電通に流れているのである。
その証拠もある。2016年、当時「生活の党と山本太郎となかまたち」に所属していた山本太郎参院議員は「安倍政権における政府広報費」にかんする質問主意書を提出。この質問主意書で山本氏は、政府広報費の約9割以上の金額を占める「啓発広報費」のうち積算内訳で約9割9分を占めているのが「雑役務費」だとし、電通にこの「雑役務費」がいくら支出されているかを質問。すると、政府の答弁書で驚きの金額が明かされたのだ。
なんと、「啓発広報費」の「雑役務費」として電通に支出されていた金額は、2013年度が約17億7248万2000円、2014年度が約30億8738万6000円、2015年度が約35億6348万6000円。さらに、全体のうち電通に支出された割合は、2013年度が約42%、2014年度が約50%、2015年度が約47%にものぼっていたのである。
ようするに、安倍政権は政権PRのために国民の税金からなる政府広報費を倍増させてきただけではなく、その金の大半を電通に流していたのである。