加計学園獣医学部には、シラバスで参考文献のヘイト本を掲載する科目も
さらに、開学した2018年4月には、目を疑うような信じがたい事実も発覚。それは、大学HPで公開されている講義のシラバスのなかにあった。
この年、獣医学部では1年生を対象とした教養教育科目のひとつに柳井徳磨氏による「現代人の科学A」という科目があり、シラバスには〈現代科学の到達した自然観の全体的な枠組みを伝える〉ことを目的とする講義だと記載されていた。しかし、この講義の「教科書」「参考書」として挙げられていたもののなかには、中国・韓国・モンゴルヘイト本を多数出版している宮脇淳子氏の『日本人が教えたい新しい世界史』(徳間書店)なるヘイト本や、極右雑誌「WiLL」やヘイト本の出版で知られる出版社ワックが発行する『日本人はなぜ「小さないのち」に感動するのか』(呉善花)などという「日本スゴイ」本が挙げられていたのだ。
一体どのあたりが「現代人の科学」なのかさっぱり意味がわからないが、さらには、性的マイノリティに対する下劣な差別や伊藤詩織さんへの攻撃でも知られる小川榮太郎氏が“森友・加計学園問題は朝日とNHKが共犯のうえで「創作」した”なる陰謀論的分析を開陳した『徹底検証「森友・加計事件」――朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』(飛鳥新社)を「参考書」として挙げていた始末だった。
そもそも、加計学園獣医学部の新設には「深刻な四国の獣医師不足を解消するため」という大義名分もあったというのに、2020年度入試では四国で獣医師になることを希望する「四国枠」合格者がなんと0名だったことも判明している。この事実だけでも獣医学部新設を認めた「前提条件」そのものを揺るがす事態だが、挙げ句、飛び出した国籍差別による不正入試疑惑。加計学園はもちろん、安倍首相もこの問題に対し、しっかりと説明する責任があるのは言うまでもない。
(編集部)
最終更新:2020.03.05 02:29