去年の西日本直撃台風でも安倍首相は新潟で総裁選の票固め
まったく信じられないが、これはもちろん、安倍首相自体が韓国への圧力と内閣改造の人事に夢中だからだ。実際、安倍首相はこれまでも、自分の関心があるイベントが別にあるときは、それがどんなにくだらないものでも、災害対策を無視してそっちを優先してきた。
たとえば、2014年2月に起こった山梨県の豪雪では、その最中に支援者らと赤坂で天ぷら料理に舌鼓を打っていたし、同年の広島土砂災害では「災害応急対策に全力で取り組む」と宣言したあと、富士桜カントリー倶楽部で日枝久・フジテレビ会長(当時)や笹川陽平・日本財団会長らとゴルフを楽しみ続けた。
さらに2015年の関東・東北豪雨では、孤立して救助を待つ人びとや不明者も多数いたというのに、インターネットテレビ「言論テレビ」に生出演して櫻井よしこや田久保忠衛・日本会議会長とともに安保法制の必要性をアピール。
2017年も、G20首脳会談出席のための外遊中に九州北部豪雨が発生したが、G20閉会後も外遊を続行。緊急性もない外遊から帰国しなかったのは、加計問題追及の閉会中審査に出席したくないからなのは見え見えだった。
そして、2018年7月西日本豪雨災害のときの「赤坂自民亭」。このとき5日午後には気象庁が「厳重な警戒が必要」と異例の緊急会見を開き、同日数十万人に避難勧告が出されていたにもかかわらず、5日夜、総裁選の票集めのために、「赤坂自民亭」なる内輪の宴会に参加。6日夜にも公邸で、総裁選のために無派閥議員取り込みのための会合を行っている。甚大な被害がすでに広がっていた6日土曜日午後〜7日日曜日の時点でさえ非常災害対策本部の設置をスルーして、7日朝に15分だけの関係閣僚会議をやっただけでさっさと私邸に帰るなど、66時間も災害を放置していた。
さらに赤坂自民亭への批判もさめやらぬ2018年9月、関空など西日本を直撃した台風。台風直撃の翌日、平成最大規模の約50万軒で停電が続き、関空にも多くの人が取り残されているなか、安倍首相はなんと総裁選の票固めのため、新潟県に。ホテルの宴会場で開催された「安倍総裁の3選を実現する新潟県民の集い」に出席したのだ。
もう何度も指摘したことだが、ようするに安倍首相が大事にしているのは、自分の権力維持と極右思想実現、そしてお友だちとの付き合いだけであって、国民の生命のことなんて微塵も考えていないのである。だから、他に何もないときは、“俺はやってるぜ”アピールとして災害対策を大仰に指示するが、自分の関心事が別にあるときは、途端に災害をないがしろにしてしまうのだ。
今回の内閣改造で小泉進次郎が入閣することで、またぞろ、安倍内閣の支持率が上がるだろうが、こんな首相のもとでは自分の生命がどんどん危険にさらされるということに、いい加減気づくべきではないか。
(編集部)
最終更新:2019.09.11 04:06