テレビでリベラル発言が後退する一方、韓国ヘイトはエスカレート
リベラルなコメンテーターたちが後退を強いられる一方で、逆に韓国バッシングに関しては、完全にタガが外れていて、エスカレートする一方。「嘘はついてない」というのも、もはや怪しいレベルで、韓国に関するニュースなら、平気でデマも垂れ流されている。
「NO安倍」と掲げられた「反安倍デモ」を「反日デモ」と報じたり、「ホワイト国除外」を閣議決定した際、韓国の文在寅大統領が使った「賊反荷杖」という四字熟語について、せいぜい「悪いのはあなたでしょ」程度の言葉にもかかわらず、日本マスコミは一斉に「盗人猛々しい」と訳し、その後毎日新聞などがその“誤訳”を指摘しても、各局ワイドショーはいまだに何週間も前のこの発言に「盗人猛々しい」とテロップ付きで繰り返し流している。
さらに、韓国に詳しい専門家として引っぱりだこの人間も、『韓国人に生まれなくてよかった』などというヘイト本を出している武藤正敏・元駐韓大使のような輩ばかりだ。あからさまな韓国蔑視や、韓国右派の受け売りのトンデモ陰謀論まがいの為にする文在寅批判を垂れ流している。
いまの日本の嫌韓感情の爆発は、安倍政権が完全にタガが外れた状態で嫌韓を煽っていることにあるが、テレビはその安倍政権の韓国ヘイト政策を支える共犯者に成り下がっている。本来、テレビの報道に必要なのは、久米宏が指摘したように「国民がやや暴走するようなときにそれを抑える」こと、「世論をなだめる」ことのはずだ。ところが、ワイドショーは揃って韓国叩きに精を出して視聴者の劣情を煽るだけ。世論が嫌韓一色だから、多少のデマや暴言も構わないと踏んでいるのだろう。
その果てに生まれたのが、武田教授のヘイトクライム煽動発言であり東国原の韓国ヘイト・ミソジニー暴言パワハラ実況だ。しかも、そうした発言が、その場で謝罪も撤回もされず許容されてしまうほど感覚が麻痺している。
こうした感覚麻痺は、武田教授や東国原、『ゴゴスマ』に限ったことではない。本サイトで度々批判している『ひるおび!』(TBS)や『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日)の嫌韓報道も『ゴゴスマ』に負けず劣らずひどいものだし、比較的まともな番組ですら、冒頭の『モーニングショー』のように、無自覚な韓国ヘイトを撒き散らしている。
いま日本の大手メディアのやっていることは、ルワンダ大虐殺を煽動した「千の丘ラジオ」と変わらない。メディアに携わる者は、そのことを自覚するべきだろう。
(編集部)
最終更新:2019.09.03 07:28