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対韓国輸出規制でマスコミが報道した「北朝鮮への横流し」疑惑はフェイクだ! 参院選に韓国叩きを利用する安倍政権

対韓国輸出規制でマスコミが報道した「北朝鮮への横流し」疑惑はフェイクだ! 参院選に韓国叩きを利用する安倍政権の画像1
安倍晋三Twitterより

 参院選が一向に盛り上がらない。消費税や年金問題が大きな争点になり、マスコミでもこの問題が一斉に取り上げられるかと思いきや、ワイドショーやニュース番組は韓国への輸出規制問題一色、連日のように韓国批判を繰り広げているからだ。

 しかも、ここにきて、マスコミは“韓国は軍事転用できる輸出品を北朝鮮に横流ししていた可能性がある。だから日本は輸出規制に踏みきった”という趣旨の報道を一斉に展開。ワイドショーのコメンテーターたちの「規制は当然だ」「韓国はおかしい」という雄叫びに、一層拍車がかかっている。

 しかし、これ、おかしくないか。そもそも、この対韓輸出規制は当初、徴用工問題で対立する韓国への報復措置といわれていたはずだ。官邸担当記者もこう苦笑する。

「政府は今になって、“北朝鮮への横流しの疑い”という情報を流していますが、実際は明らかに、徴用工問題で韓国に報復したことを国民にアピールするため、官邸主導で行ったものです。輸出規制の開始日を参院公示日の4日にぶつけたのも、そうすれば、マスコミがこの問題に飛びつき、参院選で政権に都合の悪い消費税や年金問題などの争点を消せると踏んだから。われわれ新聞・テレビに対しても、当初は、官邸幹部がオフレコで、徴用工問題との関係を示唆し、煽っていましたから」

 実際、対韓輸出規制が発表されたに1日付の新聞各紙は一斉に「徴用工問題の対抗措置として」輸出規制を行うと報道していた。御用新聞の読売にいたっては、〈日本政府は基本的に輸出を許可しない方針で、事実上の禁輸措置となる。〉などと報復姿勢を煽りに煽っていた。

 さらに、当の安倍首相も公示日後のテレビ出演で、輸出規制について「国と国との約束を守らないことが明確になった。貿易管理でも恐らくきちんと守れないと思うのは当然だ」などと、徴用工問題が出発点であることを示唆していた。

 それが、いつのまにか、“徴用工の報復措置”という話はほとんど出てこなくなり、かわりに、「北朝鮮への横流し」問題が大きくクローズアップされるようになったのだ。

「徴用工は日本の戦争犯罪をめぐる人権問題。それを“経済的報復”によって封じ込める行為は、本来、国際社会ではルール違反なんです。だから、日本政府も表立ってはそう言わず、“貿易管理に不適切な事案があった”などとお茶を濁しながら、国内では、裏で“徴用工問題への対抗措置”という報道を煽っていた。ところが、韓国がWTOに訴える姿勢を示すなど猛反発、国際社会からも批判の声が上がり始めたので、今度は一転して裏でも、“北朝鮮に軍事転用できる輸出品目を横流しした可能性がある”という情報をマスコミにリークし始めたというわけです」(前出・官邸担当記者)

 実際、7日には萩生田光一・自民党幹事長代行がBS フジのプライムニュースで、「(軍事転用されうる品目の)行き先が分からないような事案が見つかっている」と発言。それに呼応するように、10日、やはりフジテレビ(FNN)が独自スクープとして、韓国の不正輸出品が「4年で156件」あり、それが北朝鮮に近い関係国に輸出されていたと報道した。

 そして、この情報が一気に拡散し、いま、ほとんどのワイドショーやニュース番組がこの「156件の不正輸出」をもとに、一斉に「北朝鮮に韓国はけしからん」「輸出規制は当然だ」と雄叫びをあげているというわけだ。

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