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安倍首相が参院選でついた9のインチキ総まくり(前編)!

安倍首相が年金問題への反論でもちだした数字は嘘だらけ!「年金を0.1%増やした」→実際は0.9%の目減り

安倍首相が年金問題への反論でもちだした数字は嘘だらけ! 「年金を0.1%増やした」→実際は0.9%の目減りの画像1
参院選でも大嘘!(自民党HPより)


 ついに中盤を迎えた参院選挙戦。しかし、安倍首相は政見放送や街頭演説でもトランプ大統領との深い関係性について猛アピールする一方、大きな争点であるはずの年金問題については「年金を充実する唯一の道は、年金の原資をたしかなものとすること、すなわち経済を強くすること」と言い、安倍政権下でいかに経済が順調になっているのかを強調してばかりいる。

 だが、この選挙戦で安倍首相が得意気になって持ち出すデータや数字は、デタラメや誇張、虚偽のオンパレード。とてもじゃないが「実績」と呼べるシロモノではないのに、一面的に取り上げることで“年金は大丈夫”と事実ではない安心を撒き散らかしているのだ。

 そこで、安倍首相は一体どんな数字やデータを持ち出し、そしてそれがいかにデタラメなのか、安倍首相が喧伝する「9のウソ・デタラメ」を紹介していきたい。

 まずは、安倍首相が「政策によって年金を増やしていくことはできる」と豪語するときの根拠として必ずといっていいほど挙げる、賃上げや雇用の増加の数字のカラクリについて取り上げよう。


その1
「この6年間、私たちの経済政策によって雇用は380万人増えました。増えたということはまさに、年金の支え手が増えたんです」(街頭演説など)

→増えた380万人中266万人は65歳以上の高齢者!

 安倍首相の言うとおり、2012〜2018年のあいだに就業者は384万人増えたが、そのうち約7割にあたる266万人は、なんと65歳以上の高齢者。15〜24歳の就業者も90万人増えているが、その内訳は高校生・大学生等が74万人も増えている。また、15〜64歳の女性就業者も増えているが、非正規が多く、賃金も低い。つまり、安倍首相が言う「増えた年金の支え手」というのは、年金では生活できない高齢者や、家計が苦しく働きに出る女性、生活苦の学生たちのアルバイトという低賃金で働く人ばかり。これは「私たちの経済政策によって増えた」と自慢できるような話ではまったくなく、むしろ年金だけでは暮らせない高齢者が増加しているという“老後生活苦社会”の実情を示す数字だ。


その2
「史上初めて正規の有効求人倍率が1倍を超えました」
「今年の4月、高校・大学を卒業した若いみなさんの就職率も過去最高になっているという状況はつくった」(TBS『news23』党首討論など)

→団塊世代の引退と若者人口の減少の結果。有効求人倍率の上昇は民主党政権時から

 まず、高卒・大卒の就職内定率が高くなっているのは、たんに団塊世代が引退する一方で若者人口が減少しているからであって、アベノミクスの成果などではない。実際、新規大卒・高卒者内定率は民主党政権時から上昇トレンドになっており、有効求人倍率も2010年から右肩上がりをつづけている。

 そもそも有効求人倍率とは、ハローワークで仕事を求める人ひとりに対して求人が何件あるかという割合だが、直近の2019年5月の職業別有効求人倍率(パート除く)を見ると、もっとも高倍率になっているのは「保安の職業」(7.06%)で、「建設・採掘の職業」(5.21%)、介護や接客・給仕を含む「サービスの職業」(2.88%)とつづいており、厳しい労働条件の上、待遇がいいとは言えず離職率も高い職種が目立つ一方、「事務的職業」は0.43倍(うち「一般事務」は0.32%)にとどまっている。つまり、労働環境の改善が進まず、なり手が少なく離職者が多い業種に求人が増えているのが実態だ。

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