アメリカの政府機関も「F35は深刻な欠陥を抱えている」と危険を指摘
これまでもF35をめぐっては安全性に疑問が投げかけられてきたが、そんななか、米政府監査院(GAO)は4月にF35についての報告書を公表。そこでは“F35は深刻な欠陥を抱えている”と指摘されているのだ。
東京新聞5月23日付け記事によると、報告書では「危機的で安全性や重要な性能を危険にさらす」というカテゴリーに分類される欠陥が、昨年版の報告書で指摘された111件のうち13件が未解決だとし、運用試験がはじまった昨年12月以降も新たに4件が判明。〈コックピットの画面がフリーズし、ソフトウエア修正のため運用試験開始が遅れた〉や〈明かりの少ない夜間飛行でヘルメット装着型のディスプレーが不鮮明になる〉などと具体例が報告されており、記事では〈パイロットの生命維持装置(LSS)の問題も、未解決の欠陥だ〉と指摘。酸素欠乏など身体に問題が起きた事例がじつに35件も発生しているというが、〈政府やメーカー、医師による調査チームが発足したが、原因を特定できていない〉としている。GAOは「今後数年解決しない問題もある」というのだ。
また、5月に公表された昨年9月の米海兵隊F35Bの墜落事故についての報告書では、さらに昨年4月の開発試験終了時点で900以上の欠陥があり、いまも800以上も欠陥が残っていると指摘されている(しんぶん赤旗5月15日付)。
しばらく解決しない深刻な欠陥を抱えているとアメリカの政府機関が公表しているものを、1兆円以上も注ぎ込んで計147機も取得する──。しかも、安倍首相は墜落事故直後におこなわれた4月の首脳会談でも、事故の問題を取り上げることなく、むしろF35Aの105機購入をトランプ大統領にあらためて約束したのである。
国民の税金投入と自衛隊員の身の安全の確保など、まるでお構いなし。だが、それも安倍首相にとっては当然の話だ。