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安倍官邸の“望月衣塑子記者排除”をめぐり共同通信が忖度記事修正! 官邸記者クラブの癒着ぶりがあらためて露呈

官邸記者クラブの本音を垂れ流した共同通信が一転、異例の削除

 前出の政治部記者がこう続ける。

「正直なところ、望月記者を疎んじる他社の政治部記者は少なからずいる。しかしそれを、無批判にそのまま紹介してしまう共同の配信記事に各社唖然としてしまった」

 しかし、事態は意外な展開を見せた。問題の「8行」が5時間後に削除される事件が起きたのだ。

 はからずも、この緊迫の場面を、やはりリベラルな報道姿勢で知られる「神奈川新聞」が21日付け朝刊で暴露している。紹介しよう。

〈18日夜、わずかな異変が起きていた。新聞各紙の締め切り時間がじわじわと迫る午後9時57分、共同通信が、加盟各紙に配信した記事の一部を削除すると通知してきた〉

 こんな出だしで始まる記事は、18日午後4時13分に一度配信された記事に盛り込まれた問題の「8行」が、5時間44分後に削除されて配信され直したと明かす。

 そして、配信記事の末尾に掲載されていた削除理由に「全国紙記者の発言が官邸記者クラブの意見を代表していると誤読されないための削除です」と加盟紙しか知り得ない事情を暴露したのだ。この記事は共同の内部事情もこう暴露している。

〈顛末を知る共同通信の関係者によると、記事の配信後、内容を見た加盟社から電話が入り、記者クラブと官邸が癒着していると思われる恐れがあると指摘を受けた〉

 こう暴露した後、記事は官邸の記者会見は官邸記者クラブの主催なのだから、「本来会見を主導すべきは記者クラブ側であって、質問は可能な限りなされるべきであるし、官房長官も時間の許す限り応答することが求められる」と明快に述べた上で「誰かが権利を行使しようとしたとき、それによって自分の権利が毀損されるというのは、倒錯の思考であって根本的に間違っている」と共同の報道姿勢を激しく批判している。

 さらに神奈川新聞は共同の「8行削除」という処置についても、「削除するのではなく、論理の再構成や書きぶりの修正、再取材による補強」するべきだったと批判しているが、その通りだろう。

 上述の政治部記者も語っていたように、官邸記者クラブに望月記者を疎んじる記者がいるのは紛れもない事実だ。しかしそうした記者のコメントに批判的に検証を加えるのでなくコメントそのものを削除するという今回の共同の対応は、望月記者を排除したいと考える官邸記者がいるという核心的事実を、結果的に隠蔽するもの、そういわれても仕方ない。典型的な“臭いものに蓋”的対応だ。

 ちなみに神奈川新聞が、削除の経緯について共同通信を取材したところ、「編集活動のプロセスに関する詳細については回答を控えさせていただきます」としているという。加盟する地方紙が、中央メディアの共同通信相手に“反乱”を起こしたかのような印象だろう。

 共同が問題記事を配信した翌19日、冒頭に紹介したように、東京新聞が望月記者を擁護する社説を掲載した。社説は末尾をこう締めくくっている。

〈権力を監視し、政府が隠そうとする事実を明らかにするのは報道機関の使命だ。私たち自身、あらためて肝に銘じたい〉

 社説があえて「私たち」と同僚メディアに呼び掛けたスタイルなのが示唆的だ。「おい、共同通信、安倍政権に何を日和ってるんだ」とハッパを掛けているようにも思える。

最終更新:2019.02.26 01:24

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