加計理事長とゴルフを追及され逆ギレ「ゴルフがダメでテニスはいいのか?」
安倍首相は第2次政権になった2012年12月以降、加計孝太郎理事長とゴルフや食事で面会した回数を「確認できた範囲で19回」と述べている。一方、今治市と愛媛県が国家戦略特区での獣医学部新設を提案したのは2015年6月だが、それ以降も安倍首相と加計理事長はゴルフを繰り返していた。
そして、安倍首相は加計問題の国会追及がはじまった当初、この時期には加計理事長が獣医学部新設を目指していたことを知っていた、と答えていた。たとえば、加計理事長が今治市に獣医学部をつくりたいと考えていることを知った時期を尋ねた社会党・福島瑞穂議員の質問主意書に“構造改革特区の説明資料に加計学園が候補となっていると記載されていた”と回答した答弁書(2017年4月28日)が閣議決定されている。つまり、加計理事長が利害関係者と知りながらゴルフや会食をおこなっていたことになるのだ。
だが、これが倫理違反や収賄罪に発展する恐れがあると気付いたのか、安倍首相は答弁を一転。加計学園が獣医学部新設を計画していたことは「知らなかった」、「知ったのは加計学園が国家戦略特区の事業者に選ばれた『2017年1月21日』だ」と言い張りはじめたのである。
しかし、昨年、発覚した愛媛県文書では、2015年2月に安倍首相が加計理事長と面会した席で「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」と話していたことが記されており、安倍首相が加計理事長の計画にお墨付きを与えていたことが明確となった。
にもかかわらず、安倍首相はこうした関係を一切認めようとせず、挙げ句、利害関係者である加計理事長とゴルフをしていたことの問題を、「ゴルフへの偏見だ!」と逆ギレしはじめたのである。
あらためて振り返ろう。それは昨年9月、総裁選を控えて石破茂議員とともに『NEWS23』(TBS)に出演したときのこと。キャスターの星浩氏は加計問題を追及し、許認可を与える立場の安倍首相が利害関係者である加計理事長とゴルフや会食を繰り返すことは適切ではないと指摘した。だが、安倍首相は「加計さんとは利害関係者になってからの付き合いではなく、学生時代からの長年の付き合いだ」と反論。星氏が“たとえば利害関係者である金融庁の幹部とメガバンクの頭取は学生時代からの友人であってもゴルフをしちゃいけませんよ”とごく当然のツッコミを入れると、安倍首相はいつものムキになったときの口調で、このようにまくし立てたのだった。
「ちょっと星さん、ゴルフに偏見をもっておられると思います。いまオリンピックの種目になってますから。ゴルフがダメでですね、テニスはいいのか、将棋はいいのか、ということなんだろうと思いますよ?」