小藪千豊は「お前何回引退言うねん、キモい、さぶ、と言っておけば」とまで
これを読めば、松本たち出演者がいかにこの引退宣言集をネタに、宮崎監督を“バカ”にし、笑い者にしていたかがよくわかるだろう。引退宣言を肯定的に捉えているのは、宮崎ファンを自認する安藤和津だけで、他の出演者はひたすらからかうだけ。もちろん「毎回死ぬ気で作品を作って」とも「すげえなぁー」とも言っていない。それどころか安藤が「毎回命がけで撮ってるから」「みんな騙されようよ」と擁護したあとも、松本は「でも7回はちょっとひどくない?」とツッコんでいる。
というか、この日の放送からは松本が「すげえ」と思っているどころか、むしろ宮崎監督の映画を評価していないことがひしひしと伝わってきた。たとえば、途中、現役女子高生タレントの升澤理子が『千と千尋の神隠し』が大好きで40回は見たと言うと、松本は「俺、観たけどちんぷんかんぷんやった」とコメント。
また、東野から「古市さんは? 宮崎アニメはどうなんですか?」とふられて、古市憲寿が「でもたいてい後半力尽きてますよね、宮崎アニメって」と言ったときも、松本は足をバタバタさせながら大爆笑。古市が「どうしても最後の方でストーリーがちょっとおかしくなっちゃったりとか、疲れてたぶん……」とたたみかけると、松本は「これがまた残念ながら若干俺もそれは認めるところがある」と賛同し、周りが引くなか、「ですよね」と言う古市とうれしそうにうなずきあっていたのだった。
もちろん、これは作品への評価だから別にどんな批判をしたって全然構わない(じゃあ自分の映画はどうなんだというツッコミはあるにせよ)。しかし、創作ツイートを前提に悪口を言っていたのに「すげえなーって盛り上がってただけ」「バカにする空気は一切なかった」「それをバカにしてたようにニュースに書かれた」などというのはいくらなんでも、嘘が過ぎるだろう。
というか、そもそも、彼らは5月28日の放送のなかで自分たちのトークが宮崎の悪口であることを認めていた。
コーナーの終盤、松本が自身の引退のタイミングについて問われ「2ちゃんねるあたりで悪口を言われているうちは辞めないかな」「なにくそってあるじゃない」と話したことから、悪口がエネルギーになるという話になり、東野が「だから宮崎さんも、たとえば万が一この番組見てたりとかすると、みんながそんなこと言うてんのがすごいムカついて、次の……っていうことでしょ?」と発言。すると、松本も「いや、そうなんですよ」「悪口は燃料にはなります」と同意。ずっと大人しくしていた小藪千豊も参戦してきて、こんな会話が展開されたのだった。
古市「だから逆にエライからっていって批判しないのは本当によくないですよね。漫画家さんでも作家さんでも、偉くなればなるほどみんなが周りが言わなくなっちゃうじゃないですか。でも、それで衰えていく人が多いから、ちゃんと批判してあげる人が周りにいたほうが」
小藪「たしかに、だから偉すぎていじられてないから何回も引退って言うんやと思うんですよ。3回目ぐらいで、あんだけ偉くなかったら『お前何回言うねんお前。キモイなお前。もうええってマジで。こっち会見段取りして、さぶさぶさぶ。こわこわ。え? また言う!? うわ、こーわ』とかいじったら、たぶんこの方も軽々しく引退とか言わなかったです。でも偉すぎて……」
松本「アカンとこに」
東野「小藪さん、ちょっと黙ろ」
小藪「わかりました」
松本「シンプルにね」