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百田尚樹が「安倍総理が名誉毀損裁判で噂の真相を廃刊に追い込んだ」とデマ…ならば公開しよう、安倍vs噂真裁判の全容

「噂の真相」が火炎瓶事件を報じた後、損害賠償金ゼロで和解に応じた安倍

 この事件は、最近「#ケチって火炎瓶」のハッシュタグでも話題になっている例の事件だが、元はこの裁判の立証過程で明らかになった噂の真相のスクープ。周知のように、下関の安倍の自宅などに火炎瓶が投げ込まれ、2000年、その容疑者として工藤会系暴力団組長らが逮捕されたというもの。「噂の真相」は、この事件の背景に、安倍事務所が暴力団組長らと一緒に逮捕された前科のあるブローカー・小山佐市氏に対立候補の選挙妨害を依頼していた事実があること、安倍サイドが見返りの約束を破ったため、怒った小山氏が暴力団を使い犯行に及んだという裏があることをスクープした。

 当時、下関での取材を担当した山岡が、最近、出所した小山氏に接触し、二度にわたるインタビューを敢行。安倍首相自身が選挙妨害という犯罪に直接関与している物証を公開し、話題をさらった。この「18年目の真実」については、本サイトでも山岡に詳細なレポートを寄せてもらったので、ぜひ、そちらを読んでほしい(https://lite-ra.com/2018/07/post-4108.html)。

 しかし、この火炎瓶事件、選挙妨害事件にかんする詳報を出したあと、意外な展開が起きる。この記事に対しても安倍が名誉毀損で訴えたというのではない。逆だ。なんと、安倍サイドが判決を待たず、進行中の訴訟の和解に応じたのだ。

 しかも、その和解条件は「噂の真相」誌上に「一部に誤りがある」という謝罪文を掲載すれば、安倍側が提訴を取り下げるというもの。安倍側は訴状では、1000万円の損害賠償金を要求していたが、損害賠償金もゼロ、という条件だった。安倍サイドはそれを飲んで和解に応じたのである。

 そして、「噂の真相」最終号2004年4月号に、数行のお詫びが掲載され、この訴訟は幕が引かれた。川端がこの和解の経緯について、説明する。

「僕としては、裁判に勝つために新たな証言や証拠を集め、新疑惑なども取材していたので、和解には反対だった。でも、「噂の真相」は2004年4月号で休刊することが決まっており、そうなると裁判費用が捻出できなくなる。和解条件は、損害賠償も1円も払わなくてすむうえ、誤りを認めるのも一部ということだったので、泣く泣く、和解方針を承諾した」

 しかし、不可解なのは、安倍側の対応だった。名誉毀損が成立するという自信があるなら、粛々と裁判を進めればいいものを、損害賠償ゼロという不利な条件で、提訴を取り下げたのはなぜか。

 これはやはり、安倍のほうも、裁判を早く終わらせたかったということだろう。火炎瓶事件の報道の直後というタイミングを考えれば、これ以上、新たな疑惑や不正を持ち出されたくなかったから、和解した可能性もある。

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