安倍政権と本土メディアは沖縄県民の辺野古反対の民意を無視するな
こうした嘘にまみれた選挙に対し、沖縄県民があらためて「辺野古新基地建設はさせない」とはっきり打ち出した玉城氏を選んだ意味は、非常に大きい。
だが、この民意が示された選挙結果を受けて、安倍政権がさらに“沖縄いじめ”を激化させることは必至だ。なかでも、翁長知事が命を賭けた沖縄県の辺野古埋め立て承認の撤回に対しては、選挙中は見合わせていた撤回の効力を失わせる執行停止の申し立てなどをさっそくおこなうだろう。
そして、もうひとつ大きな問題は、「本土」メディアの報道姿勢だ。米軍基地問題は沖縄県だけの問題ではけっしてなく、国全体の問題だ。にもかかわらず、今回の沖縄県知事選をクローズアップしてじっくり報じたテレビ番組はごくわずかだった。
この背景にあるのは、基地問題を沖縄に押し付けつづける「本土」メディアの姿勢にくわえ、政権からの“圧力”に怯えたせいだろう。基地問題を争点として伝えた場合、どうしても佐喜真氏の欺瞞が露わになってしまう。そうすれば、安倍政権からどんな恫喝を受けるか──。そう考えた結果、忖度して“報道しない”という選択をとったのではないか。
「本土」メディアがこの調子では、これから玉城新知事が安倍政権と対峙し、米軍基地問題や日米地位協定について日本全体の問題だといくら訴えても、この国はいつまでも沖縄にその重荷を背負わせつづけることになる。その一方、安倍政権がさらに沖縄報道に目を光らせていくことはあきらかだ。
今後は、沖縄の問題に向き合わない「本土」メディアの報道姿勢にも、よりいっそう注視する必要があるだろう。
(編集部)
最終更新:2018.09.30 09:54