安倍首相は、LGBT差別、女性差別発言を繰り返す杉田水脈を「素晴らしい!」とスカウト
そもそも杉田議員は、極右政党・日本のこころの所属議員だった2014年10月に国会で「男女平等は、絶対に実現しえない反道徳の妄想です」と暴言を吐き、「週刊プレイボーイ」(集英社)でのインタビューでは、日本に男女差別は「ない」と断言。「あるとすれば、それは日本の伝統のなかで培われた男性としての役割、女性としての役割の違いでしょう」「(基本的人権が守られている上に)そこにさらに女性の権利、子供の権利を言い募ると、それは特権と化してしまう」との驚くべき前近代的主張を展開したことで大きな非難を浴びたことがある。
じつは、LGBTにかんしても、2015年3月27日付けのブログに「LGBT支援策が必要でない理由〜私の考え」というタイトルで投稿。そこで〈生産性のあるものと無いものを同列に扱うには無理があります。これも差別ではなく区別です〉と今回と同様の主張をおこなっている。このなかでも、杉田議員はやはり〈「女性の権利を」とか「LGBTの人たちの権利が」とかというのは、それぞれ、「女性の特権」「LGBTの特権」を認めろ!という主張になります〉と述べ、支援不要論を説いている。
このように、杉田議員のLGBT・女性差別発言はいまにはじまった話ではなく、もはや杉田議員の“得意芸”になっていた。そこに惹かれたのが、ほかならぬ安倍首相だ。
杉田議員は昨年の衆院選で自民党から出馬し比例で当選を果たしたが、その舞台裏について、櫻井よしこがネット番組『言論テレビ』のなかでこう語っていた。
「安倍さんがやっぱりね、『杉田さんは素晴らしい!』って言うので、萩生田(光一・自民党幹事長代行)さんが一生懸命になってお誘いして、もうちゃんと話をして、(杉田氏は)『自民党、このしっかりした政党から出たい』と」
極右思想はもちろんのこと、今回のような女性や性的少数者に対する差別発言を繰り出すことを看板にする杉田議員を、安倍首相は「素晴らしい!」と称賛して、自民党に引き入れたのである。これは、総理という立場では口にできない“本音”を、杉田議員には広めてほしいという役割を期待してのことだろう。