加計学園には、安倍首相と面談した日の詳細な記録が残っているはず!
だが、問題はこの抗議書の中身だ。森氏によると、加計側はなんとか記事に難癖をつけようと、「その日のスケジュール」をしっかり書き込んできたのだという。森氏が明かしたその抗議書の文面は、以下のようなものだ。
「獣医師会の面会の約束は17時であり、午前中ではない」
「17時に面会ということが決まっていたので、これに合わせるよう、16時13分東京駅に新幹線に到着し、待たせていた車両で獣医師会へ向かい、約束の17時に獣医師会を訪問」
4年前の出張について、面会は何時からだったとか、何時何分の新幹線に乗車したかだとか、加計側はじつに詳細にわたった記述しているのだ。これだけはっきりとディテールをもって反論していることからも、加計側には理事長のスケジュールにかんする明確な「記録」が残っていると考えるべきだろう。
かたや、問題となっているいまから3年前の2015年2月25日の安倍首相との面談については、加計理事長は「会っていない」ことを立証するための「その日のスケジュール」を出すこともなく、「記憶にも記録にもない」ことを「会っていない根拠」にしている。安倍首相との面談が「担当者がついた嘘」だと言うのなら、森氏におこなったように細かいスケジュールを出して「アリバイ」を立証すればいいのに、今回はそれをしない──。ようするに、会ったのに「会っていない」と嘘をついているから、それができないだけなのだ。
だが、こうして浮かび上がる加計理事長の数々の矛盾も、証人喚問を拒否して、国会を閉会させれば国民は忘れるとタカを括っている。現に、森友問題では、財務省と国交省が公開されていない交渉記録について「最高裁まで争う覚悟で」隠蔽することや、官邸が検察とグルであったことを示す新文書を、先週、共産党が独自入手・公開したが、この文書があるかどうかの調査について、石井啓一国交相は「出所不明」「行政文書とは思えない」などとして調査を拒否。その上、野党が抗議する最中に安倍首相と麻生太郎財務相はふたりしてトイレに立ち、審議が再開できない状態になったのだ。
繰り返すが、今回の新文書は官邸と財務省、国交省がいかに国民を欺こうかと密談しているもので、安倍首相と麻生財務相は疑惑の責任者、当事者だ。それを、大の大人が「ツレション」して審議を止めるなど、無責任も甚だしい。このような国民を舐めきった姿勢がきちんと報じられ、批判されなければ、どこまでも安倍政権は増長していくだろう。
(編集部)
(編集部)
最終更新:2018.06.25 09:59