Twitter Japanの代表取締役・笹本裕氏は、自民党の勉強会で講師を務めたことも!
こうした疑念に拍車をかけているのが、Twitter Japanの上層部の姿勢だ。昨年には、同社の上級役員が『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』(講談社)などのヘイト本で知られるケント・ギルバート氏らのツイートに「いいね!」をしていたことが一部で取り沙汰され、「Twitter Japanの上層部はヘイトする側に加担しているのではないか」という批判の声があがっていた。
さらに、今回のアカウントロック問題が取り沙汰されるなかで、Twitter Japanの代表取締役・笹本裕氏が2017年4月、自民党本部の勉強会に呼ばれ、「Twitterの現在と政治での活用」なる講演を行なっていたという事実が拡散。「Twitter Japanは安倍政権に忖度して、政権に批判的なリベラルを標的にしているのではないか」という見方も広がっている。
これらはもちろん、ただの憶測でしかないし、邪推だと信じたい。しかし、同社の上層部のヘイトや差別に対する姿勢が非常に甘いことは事実だ。
たとえば、同社の笹本代表取締役は、ヘイトツイートを特集した昨年11月21日放送の『クローズアップ現代+』(NHK)でのインタビューで、このように発言していた。
「ヘイト自体は残念ながら僕らの社会のひとつの側面だと思うんですね。それ自体がないものだっていうふうにしてしまっても、実際にはあるわけですから。それ自体を認識しなくて社会が変わらなくなるよりは、それはそれでひとつあるということを認識して、社会全体が変えていくということになればなあとは思いますね」
放送当初から、この笹本氏の発言には少なからぬ批判の声があがったが、あまりに当然だろう。
笹本代表は一見、正論風に語っているが、「ヘイトが社会にあると認識させること」を理由に、ヘイト野放しを正当化する、どうかしているとしか思えない。そもそも、ヘイトを批判しないで放置していたら、逆にそれがヘイトであることすら認識されないまま拡散されていくだけではないか。ようするに、笹本代表のこうした無責任な姿勢がヘイトツイートを放置させているのである。
しかも、信じがたいのは、Twitter Japanは前述したように、ヘイトを放置する一方で、それこそ「ヘイトの存在を認識させる」ためにヘイトを批判しているアカウントを次々とロックしていることだ。いったいこれをどう説明するのか。
Twitter Japanはこうした疑念や不信感を払拭するために、まずアカウントのロックの理由を可視化すること、そして同時にヘイトに対して、明確な判断基準を示しながら、オープンなかたちで毅然とした対応をすべきだろう。
(編集部)
最終更新:2018.06.24 12:03