過去には貧乏人に「保険金自殺」を薦めるツイートも!
実際、田端氏がこうしたグロテスクな自己責任論をぶつのは、これがはじめてではない。
たとえば今年3月にも、〈誰か、高額納税者党を作ってほしい。少数派を多数派が弾圧する衆愚主義じゃないか〉(2018年3月10日のツイート)とツイートして、炎上している。
また、2017年5月には〈テレビって見てる視聴者は、常に善良で勤勉な市民で被害者という仮定を置いてるよね。そんなにバーキン欲しいなら視聴者どもよ、自分が金稼げ!って思うけどなー〉という発言が炎上。さらに、こんなツイートまで放っている。
〈まず生命保険に入りましょう。そして洗面器を用意し水を張ります。水に顔をつけて10分もすれば!凄い時給でお金が貰えます!!〉(2017年5月のツイート)
そもそも、保険金目的の自殺は免責事由になるので、洗面器の水で意図的に溺死したとしても〈凄い時給でお金〉はもらえないと思うのだが、それはともかく、「貧乏人はさっさと死ね」とでも言わんばかりの発言には、“これが大の大人の言うことか”と頭がクラクラしてくる。
いや、田端氏だけでなく、こんな人間をコミュニケーション室長室長の椅子に座らせているZOZOTOWNの神経も疑いたくなるではないか。
しかし、ここまでグロテスクな本音をさらけ出す人は珍しいとはいえ、労働者を人間と見ず人間を働かせているという雇用者の責任を一切顧みることなく自らの利益だけを追求する新自由主義的発想そのものは、何も田端氏に限ったものではない。多くの経営者たちの本音だろう。
実際、田端氏が語り大炎上している「過労死は自己責任」という暴論は、今まさに法律で正当化されようとしている。
それが、先週衆院で強行採決された“定額働かせ放題法案”こと「高度プロフェッショナル制度」法案だ。周知のように、高プロは、年収1075万円以上の一部専門職を対象に労働時間の規制から除外するもので、残業や休日労働に対しても割増賃金が一切支払われないというシロモノ。このトンデモ法案について安倍政権は「働いた時間でなく、成果で評価するため」などという欺瞞的な説明を繰り返しているが、実際は労働時間の規制をなくすことで、残業代も払わず過労死ラインを超えるような過重労働を、企業が合法的に強いることを可能にする、というトンデモない法案だ。
「過労死は自己責任」という田端氏のグロテスクな暴論が許されないのはいうまでもないが、いまそれがこの国のスタンダードとなりすべての人にその攻撃の矛先が向けられようとしている。
(編集部)
最終更新:2018.06.03 11:51