「ガンバレ」プラカードを掲げた男性が「自民党からもろてん」と
「ガンバレ」プラカードを掲げていたおじさんに記者が声をかけ、「お父さん、これ自分でつくったんですか?」と質問したところ、おじさんはこう答えたのだ。
「自民党からもろてんねん」
首相が商店街を練り歩けば、マスコミは必ずカメラを回す。そこで安倍首相が熱烈に歓迎されていることを演出するため、自民党が地元の自民党員あるいは支持者、はたまた通りすがりの一般市民にプラカードを配って掲げさせた──。つまり、自民党による“ヤラセ”だったのだ。
昨年の総選挙では、安倍首相の遊説先で「おい、テレ朝 偏向報道は犯罪なんだよ!」「モリ・カケ疑惑は朝日のでっちあげ!」などと書かれたプラカードを掲げる安倍政権支持者が現れ、テレビにも映り込んでいたが、これはあくまでネトウヨがつくってネットプリントで拡散させていたもの。しかし、今回は、自民党が自前でハートで囲まれた「ガンバレ」なる露骨なプラカードを作成し、掲げさせていたとは……。やり方がネトウヨと一緒というのがいかにもだが、ここまでくると「必死だな」と肩を叩きたくなるような滑稽さである。
だが、安倍首相は大阪から戻ってきても「必死」だった。安倍首相はトランプ大統領との会談を今週に控えた昨日15日午後、川崎市にある日本鋼管病院を訪れ、拉致被害者である横田めぐみさんの父・滋さんを見舞ったのだ。
なんという露骨な政治利用とパフォーマンス。そもそも、安倍首相はこの間、北朝鮮問題についてはひたすら「圧力を強めろ」とわめくだけで、拉致問題解決にはまったく関心を示してこなかった。安倍政権は第二次政権発足時に「拉致問題対策本部」のもと拉致関連の会議体を6つも発足させているが、いずれの会議体もほとんど開かれることなく開店休業状態になっている。
それどころか、いまから2年ほど前にめぐみさんの母である早紀江さんは思いを綴った長文の手紙を安倍首相に送ったものの、安倍首相はこれを完全に無視。返事も電話も返さなかったことも明らかになっている。