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ブラ弁は見た!ブラック企業トンデモ事件簿100 第10号 

巧妙化する悪質リストラ手法に気をつけろ! 突然の出向先は追い出し部屋、業務は自分の転職先探し

 Aさんは某電気メーカーでSEとして働いていた40代の正社員だった。ある日、上司に呼び出されて、いきなりこう話を切り出された。

「君も長年我が社でがんばってくれて感謝している。そろそろ新たな道を歩んでみないか。いま、我が社を退職し、別な会社へ転職しステップアップしてくれれば退職金を特別に増額するから」

 Aさんは何の話かと思いきや、これは、要するに「会社を辞めてくれ=退職勧奨」ということではないか。

 結婚し、子どもも生まれ、ローンでマイホームも買った。これから子どもも成長し教育費等もかかってくるのに、いま仕事を辞めるわけにはいかない。なにより40代も後半に差し掛かった自分をいまと同程度の条件で雇ってくれる会社なんてあるわけがない。

 Aさんはそう考えて、上司に対して、自分は退職をするつもりはないとはっきりと告げた。しかし、話はそれで終わらなかった。

 Aさんは、その日から、上司や会社の総務関係の担当者から連日のような面談攻勢を受けるようになる。会社を退職する気はなく定年まで働くつもりであると言っているAさんに対して上司は、

「残念ながらいまの会社に君の居場所はない」
「別な会社に転身して君のスキルを活かしたほうが君自身にとってもよいことではないか」

 などと、あの手この手で説得を試みようとしてきたのだ。

 Aさんは、毎日、長時間にもわたり上司らからの説得を受け続けても、なおも退職することを拒み続けていたが、上司の説得は止まらなかった。

 Aさんは、行政機関の労働相談なども利用しながら退職勧奨には応じる必要はないことを知っていたので、断固として会社の要請を断り続けた。

 その後、会社側は、今度はAさんにある会社への出向を打診することになる。出向とは、現在勤めている会社に籍は置いたまま、その会社とは別の会社に行って働くことであり、企業では人事異動の一環としてしばしば行われているが、今回の出向は驚きの内容であった。

 会社から示された出向先は「ジョブクリエーションコーポレーション」(仮名)なる会社で、大手派遣会社の子会社であった。驚いたのは、出向先での業務内容である。

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