財務省に乗り込む前の小西氏(撮影・横田一)
安倍政権を揺るがす森友公文書改ざん問題。本日8日の参院予算委員会理事会では、周知のように財務省が大阪地検に提出した決裁文書の写しを提出することになった。しかし、それは改ざん前の文書ではなく、すでに開示されている改ざん後の文書にすぎない。しかも、財務省は複数の決裁文書が存在するのではないかとの追及に対し、明確な回答をしなかった。
これまでさんざん「大阪地検に押収されているからない」と言っていたのに、自民党と公明党に詰め寄られると「写しがあった」などと言い出し、とっくに開示されている文書と同じ内容のものを差し出す。財務省はこんな茶番で国民の目をごまかせると本気で思っているのだろうか。
しかし、きょう財務省が提出するのが、改ざん後の決裁文書の写しにすぎなくとも、そこから改ざんの事実を物語るさまざまな矛盾や疑惑がさらに浮かび上がってくる可能性がある。
そのひとつが民進党の小西洋之参院議員が指摘していた、チェックマークの問題だ。小西議員が語る。
「われわれ国会議員が受け取った決裁文書で、朝日新聞が報じた『調書』の部分(ページ)だけ黒の丸印のチェックマークがないので、改竄された可能性がある。なぜチェックマークがないのか。野党が『元の文書を出して欲しい』と要求しても出てこない」
また、もうひとつは、改ざん後の決裁文書に、少なくとも複数のバージョンがあることだ。
5日に、自由党の森ゆうこ議員らが近畿財務局で保管していた決裁文書のコピーを閲覧、入手したが、そこには、昨年2月に国会に提出された文書にはない手書きのチェックマークがついていた。
6日の野党合同ヒアリングでは、財務官僚が「情報公開請求があった段階で書き入れたのではないか。いくつかのバージョンがある可能性がある」と答えていたが、この点についても、官僚出身の小西議員が呆れながらこう指摘する。
「情報公開請求があったときにチェックを入れるはずがない。そのまま出せば、いいわけですし、情報公開請求があった文書に書き込むこと自体が法令違反になる行為です。絶対に書き込むことはしない。だから、そうすると何なのかという話になる。決裁文書にチェックマークがないと不自然なので後から改竄した調書のページに書き入れたのではないか。調書の部分だけが棒線のチェックマークで、その前後は丸印のチェックマークになっている。それぞれ別の人がチェックをしたのか。それは誰なのかが問題になる。非常に怪しい話だ」