学校法人日本航空学園ホームページより
新年早々、第2の森友事件の勃発か──。学校法人に対する財務省の不当な国有地売却が、きょう浮上した。今朝の毎日新聞が、山梨県内の国有地を約50年にわたって無断で使いつづけていた学校法人に対し、2016年5月に評価額の8分の1という格安で売却していたと報じたのだ。
記事によれば、学校法人日本航空学園が1960年代に土地を買収してパイロット養成用の滑走路を整備したとき、国有地だった農道なども無断で使用。国は67年にこの無断使用の事実を把握していたが、80年代に学園と国が協議した際は価格面で折り合わず、2012年になって会計検査院が処理促進を提言したことから交渉が再開したという。
しかし、財務省関東財務局が土地価格を約7180万円と算定した一方で学園側は民法の「時効取得」を盾にして無償譲渡を主張。結果、16年5月に減免措置を適用して875万円で売却、使用料についても計約161万円しか徴収していないという。
約50年間にもわたって国有地の無断使用の実態を把握しておきながら問題を放置しておいて、挙げ句に格安で払い下げる──。普通はそんな話が通るはずもないのだが、なぜか8分の1という値段で売却するとは、異常である。
この算定した土地価格よりずっと安く国有地を売却していた事実には、おのずと森友学園が頭に浮かんでくるが、じつはこの日本航空学園と森友学園にはもうひとつ共通点がある。
それは、日本航空学園の理事長・梅沢重雄氏がゴリゴリの極右であるという点だ。たとえば、梅沢理事長は「日本文化チャンネル桜」の設立発起人に名を連ね、『日本航空学園アワー』なる番組が放送されていた。
さらに、「南京虐殺はなかった」などと主張する歴史修正本が国際的に問題となった元谷外志雄・アパグループ代表が塾長・最高顧問を務める「勝兵塾」にも、元文科大臣の馳浩議員や元航空幕僚長の田母神俊雄氏らとともに参加。「第52回 勝兵塾月例会レポート」によると、梅沢理事長はそこで「憲法についてのくだらない議論よりも教育勅語を教えることが必要」「我が国の伝統文化を教えれば10年後にはスムーズに憲法改正ができる」「国体をしっかり守りさえすれば憲法なんてどうでもいい」と話したという。