4日間で睡眠時間ゼロの異常な新人研修!ウトウトすると殴られる
「0泊4日って、どこか海外に弾丸ツアーでもするんですか?」と思わず訊きたくなるが、研修が行われるのは国内である。国内で0泊4日の意味は、「泊」がゼロということ、すなわち「寝ない」ということらしいのである。寝る予定が4日間の研修のスケジュールに組まれていないので「0泊4日」の研修なのだそうだ……。
「さすがに寝ないって、無理でしょ?」と私も思うのだが、実際に寝る時間はスケジュールにないらしい。ただ、食事の時間が確保されているので、その時間を睡眠に使うのだという。つまり、60分ある食事の時間を最初の5~10分くらいで済ませ、あとは寝るというのだ。
そんな中でやってる研修の内容は、理念唱和である。これを暗記し、大きな声で叫ぶのだそうだ。しかも、グループ単位で競わせるらしく、1名が間違えると全員が連帯責任を負うという。時には内容が合っていても、声が小さいとやり直しになるとのことであった。
もちろん、理念唱和以外にも研修はあり、社長の講話もある。しかし、0泊4日のため、ついウトウトする従業員がいるのだが、その従業員には、社長から容赦なくぶん殴られるという制裁がある。ある従業員は、社長から殴られ過ぎて顔の形が変わり「あんなやつ、いたっけ?」と話題になるほどだったという……。
言うまでもなく、いかなる理由であろうとも殴るのは犯罪で、この場合、傷害罪になることは間違いない。
しかし、この会社に言わせると、殴るのは愛情表現だという。残業代請求の相談に来た彼女らのうち1名が、社長が社員を殴ることについて「おかしい」と幹部に述べたことがあるという。その幹部は、「あれは愛情表現。父親が子どもを殴るのと一緒」と述べたという。……あまりに色々とおかしいので、言葉を継げず、脱力感だけが残る発言である。
そもそも父親が子どもを殴るという前提がおかしいが、その幹部は全くそのことに気づいていないのである。