自民党 HPより
来年秋に開催される福井国体に「明治150年」という冠称をつけようという動きがあり、これに福井県労連など7団体が反対を申し入れたことが報じられた。
この「明治150年」という冠称は、スポーツ庁からの求めによるもの。福井国体の開催される来年が明治維新から150年にあたることから、福井国体の正式名称である「第73回国民体育大会」に「明治150年」と冠してほしい、と今年7月にスポーツ庁が福井県に求めていた。それを受け、本日23日の国体実行委の総会に提案され、承認される見通しが高いという。
反対を申し入れた団体は「国体は戦後に始まったものであり、明治とは無関係。明治150年で真っ先にくるのは『戦争の100年』という記憶であり、冠にふさわしくない」としており、県民、県議会での議論を求めている。
こうした反対の声があがるのは当然だろう。団体側が「明治150年」の言葉に「戦争の記憶」を想起すると指摘しているとおり、明治とは数々の侵略戦争によって多くの国の人間の命と自由を奪い、日本自体も滅亡の危機に追い込んだ「大日本帝国」の時代だ。明治となんの関係もない国体に、わざわざ「明治150年」などという冠称をつけることは明治日本=大日本帝国の美化、喧伝でしかない。
しかし、安倍政権は、この明治日本=大日本帝国への憧憬を隠さず、ことあるごとに、明治日本=大日本帝国の正当化を喧伝してきた。
たとえば、2015年7月「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録へのゴリ押しだ。安倍首相は幼なじみでもある発起人の女性に「君がやろうとしていることは『坂の上の雲』だな。これは、俺がやらせてあげる」と語るなど、この登録に安倍政権の強い意向が働いていたことが明らかになっている。その背景に、明治日本の近代化を誇り大日本帝国の植民地主義を正当化、アピールしようという意図があったのは明らかだ。