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山口敬之レイプ疑惑はどうなったのか? 詩織さんに相談されていた記者が証言! 作家の中村文則も不起訴の経緯に鋭い分析

中村文則が見抜いた山口レイプもみ消しの不可解な経緯

 清水氏は放送後、ツイッターで〈生番組なので舌足らず、説明不足もあります。今回の放送は事前に詩織さんと相談のうえでの事です。そのうえで彼女が2年前から被害を訴えていたこと、しかし逮捕中止の闇が明らかになるには時間がかかったことを伝えたかったからです〉と述べている。

 実際、詩織さん自身も会見で、検察審査会への不服申し立てに時間がかかったことについては、ホテルの防犯カメラやDNA鑑定、タクシー運転手やベルボーイなどの証言等の証拠申請の準備が必要だったからだときちんと説明したが、第三者である清水氏の証言によって、それも事実であることが明白になった。

 だとすれば、やはり言うまでもなく、この間トンズラを決め込み、ましてやフェイスブックで詩織さんの「売名」だと印象づけようとデタラメを吹いた山口氏は、改めて公の場で説明する必要があるだろう。

 いや、山口氏だけではない。逮捕をつぶした警視庁の中村格氏やその背後にいるといわれる菅官房長官らもきちんと説明責任を果たすべきだ。

 実は、この山口氏の準強姦事件がもみ消された経緯について、意外な人物が鋭い分析をしている。それは、作家の中村文則氏だ。中村氏といえば、売れっ子小説家には珍しく、安倍政権批判をはじめ、踏み込んだ社会的発言をすることで知られているが、毎日新聞7月1日付愛知版で、「疑問に思う出来事があった」としてこの事件に言及している。

 それは、山口氏の不起訴決定時期と『総理』の刊行時期の関係についてだ。

 山口氏は前出のフェイスブックの反論で、〈不起訴処分はすでに昨年7月に全ての関係者に伝えられています。私はこの結論を得て、本格的な記者活動を開始しました〉などと言っているが、これは大嘘だった。逮捕を免れ、書類送検となった山口氏に不起訴の決定が下ったのは確かに2016年7月だったが、フリーになった山口氏が処女作『総理』を出版し、同時に「週刊文春」(文藝春秋)で集中連載を始めたのは、それよりも前の、2016年6月9日。つまり、山口氏は不起訴より1カ月も早く、記者活動を開始していたのだ。

 中村氏が疑問に感じたのは、まさにそのことだった。中村氏はこう指摘する。

〈そもそも、首相の写真が大きく表紙に使われており、写真の使用許可が必要なので、少なくとも首相周辺は確実にこの出版を知っている(しかも選挙直前)。首相を礼賛する本が選挙前に出て、もしその著者が強姦で起訴されたとなれば、目前の選挙に影響が出る。〉
〈でも、山口氏の「総理」という本が16年6月9日に刊行されているのは事実で、これは奇妙なのだ。なぜなら、このとき彼はまだ書類送検中だから。
 しかもその(『総理』発売日の)13日後は、参議院選挙の公示日だった。だからこの「総理」という本は、選挙を意識した出版で、首相と山口氏の関係を考えれば、応援も兼ねていたはず。そんなデリケートな本を、なぜ山口氏は、書類送検中で、自分が起訴されるかもしれない状態で刊行することができたのか。〉

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