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官邸とネトウヨが文科省の女性課長補佐に卑劣な個人攻撃! 上念司は「内閣府に出向したスパイ」とデマ拡散

 しかも、上念氏は、同番組でパーソナリティの寺島尚正氏から「山本大臣が集中審議のときに『文科省から出向して、いま内閣府に来て、その方が』と言っていたが」と振られると、「そうそうそう。ネットでね、写真つきで名前も出てるんですよ。××××(実際は実名)さんという方ですね。文科省からの出向で、この人が非常にいい加減な報告書ですね、自分の印象に基づいて書いたんですよ」と返答している。

 いやいや、何を言っているのか。獣医学部新設の条件に「広域的に」「限り」と文言を追加する修正を指示したのは萩生田官房副長官だと書かれたメールは、たしかに内閣府から文科省に送られている。そして、山本幸三地方創生相はそのメール作成者を「文科省からの出向者で、陰に隠れ本省にご注進した」とスパイ扱いした。だが、この出向者は内閣府地方創生推進事務局の職員で、“入省4年目の男性職員”と報じられている。

 つまり、上念氏は、性別も年次も所属もまったくちがう、内閣府の男性職員と文科省の専門教育課課長補佐を同一人物だと思い込んでいるのである。しかも、これまで数多くのネトウヨデマの発信源となってきたバイラルメディア「netgeek」の記事でも上念氏と同じ誤った記述がなされており、上念氏はこの記事を18日に拡散している。ようするに、ネトウヨのデマにまんまと乗って、ラジオで個人攻撃を垂れ流していたのだ。

 まったく、こんな人物が「放送法を遵守しろ」などと言っているのだから失笑せざるを得ないが、ネトウヨたちは文書を「捏造メモ」呼ばわりする一方で、「総理のご意向」と書かれた文書のなかで、同時に獣医学部開学の時期について〈「国家戦略特区諮問会議決定」という形にすれば、総理が議長なので、総理からの指示に見えるのではないか〉と記載されている点を挙げ、「これは総理の指示がなかった証拠」だと主張している。

 しかし、この文言のすぐ後には〈平成30年4月開学に向け、11月上中旬には本件を諮問会議にかける必要あり〉と記述されているように、普通に考えれば、発言者である内閣府側が「開学時期を平成30年4月にすることが総理からの指示だと見えれば、抵抗もなく話は進むだろう」という観測を立てているとしか読めない。

 文科省と内閣府の官僚を一緒くたにしたかと思えば、文書を「捏造メモ」と呼びつつそれをもとに「総理の意向はないと証明されている!」と言い募る。彼らにしてみれば、責任を転嫁できるのならどこの誰でも関係ないのだろう。そしてそれは官邸も同じだ。

 現に、義家文科副大臣はこの課長補佐について「この人は自分本位のメモを作って他と共有する官僚と思われながら仕事をしていくわけです」(「週刊文春」6月29日号)と話しているように、「文書は課長補佐の捏造」だと決め打ちしている。

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