「大阪の塚本幼稚園。ここはまったくのフェアな愛国心を育てている幼稚園として推薦できます!」
「僕はそこに講演に呼ばれて、バカな僕は『園児に講演するんですか?』と聞いたら『違います、青山さん。父兄に話してください』ってことで、ごく普通の父兄がこられているのに、子どもたちが毎朝、『朕オモフニ』からはじまる教育勅語を熱唱すると。その教育の実をあげておられる塚本学園というのを応援します」
「何よりも、塚本幼稚園、塚本幼稚園園長、がんばってくださいね!」
青山氏が強調するように「がんばってくださいね!」とエールを送った相手。その塚本幼稚園園長こそが籠池理事長その人だ。また、29日には菅野完氏がTwitter上に一枚の画像をアップしたが、そこに写っていたのは、籠池理事長と、陽気なアロハシャツを着た楽しげな青山氏の仲睦まじい姿だった。
にもかかわらず、森友学園問題が発覚するや否や、青山議員は見事に手のひらを返した。『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCシアター)では、「塚本幼稚園……だったと思うんだけど、この森友学園という学校法人、僕はこの事件ではじめて聞いたんですけど」(2月27日放送分)などと白々しさ満載の態度を披露。証人喚問が行われた3月23日の夜に収録されたという同番組(27日放送)でも、ネット上ですでに青山議員の異様な態度が指摘されていたことを知っていたのか、「朝から昼まで、ずっとメモを取りながら克明に聞いてました。なぜかほかの議員はメモを取らないんだけど」などと言い訳し、塚本幼稚園がHPで天皇が訪問したとでっち上げていた疑惑を取り上げ、「これは偽証にあたると思いますよ」「(籠池理事長は)虚言癖」「人間困った生き物」と徹底批判したのだった。
「困った生き物」と言うのなら、それはアンタのほうだろう。籠池理事長を「がんばってください!」と猛烈に応援し、広告塔のように宣伝していたのは、ほかでもなく青山氏なのだ。
もっと言えば、青山議員は誰かのことを「虚言癖」と言えるような立場でもないだろう。昨年6月に「週刊文春」(文藝春秋)が報じた記事によれば、参院選で青山氏は選挙ビラで共同通信記者時代の“武勇伝”として〈「昭和天皇の吐血」など歴史的スクープ連発〉と謳っていたが、当時を知る記者から「青山氏の報道は全く印象に残っていません」とバッサリ一蹴されている。
ほかにも、ニコニコ生放送の番組で“菅政権が僕を逮捕しようとした!”と言い出したり、“仕上がった原稿はウイルスで2回破壊された! 警察庁の外事情報部も関心をもっている!”と主張するなど、青山氏には「ホントかよ!」と言いたくなる話がわんさとある。2014年6月4日放送の『スーパーニュースアンカー』(関西テレビ)にいたっては、青山氏は「金正恩第1書記が独裁者になってからずっと安倍さんを『案外気に入ってるんだ』とか、人によっては(金正恩は安倍首相のことを)『好きなんだよね』と(語っている)」と語っていたが、一体どんなパイプを使ったら、金正恩が「安倍さん好きなんだよね」と言ったという情報が入ってくるのだろうか。
ともかく、いくら普段は威勢のいいことを言っていても、いざ自分にとって都合の悪い展開となると、過去に応援していた相手と目も合わせないように小さくなって息を潜める人物であるということが、今回はよくわかった。こんな人物を「国士」と呼ぶのだから、ネトウヨにとってのこの国とは、なんと軽いものなのだろう。
(編集部)
最終更新:2017.11.22 01:13