実際、この塚本幼稚園での講演では「普通の公立学校の教育を受けると、せっかくここ(塚本幼稚園)で芯ができたものが、(公立の)学校に入った途端に揺らいでしまう」と、公立学校の教育を否定するほど礼賛していた。やはり、その直前に無理やり名誉校長にさせられた人間の発言とは到底思えない。
また、15年1月8日に配信された「産経ニュース」は、昭恵夫人が14年4月に塚本幼稚園を訪問した際の様子を、このようにレポートしている。
〈昭恵夫人は昨年4月、同園の視察と教職員研修のため訪れたとき、鼓笛隊の規律正しいふるまいに感動の声を上げた。さらに、籠池園長から「安倍首相ってどんな人ですか?」と問いかけられた園児らが「日本を守ってくれる人」と答える姿を見て、涙を浮かべ、言葉を詰まらせながらこう話したという。
「ありがとう。(安倍首相に)ちゃんと伝えます」〉
つまるところ、Facebookでの宣伝行為にせよ、講演会で大絶賛したことにせよ、幼稚園訪問時に落涙していたことにせよ、これらから導かれるのは、昭恵夫人が森友学園の教育方針に心から賛同していたという事実に他ならない。
とすれば、やはり真相はこうではないか。昭恵夫人は、強く共感する籠池理事長から名誉校長就任の依頼を嬉々として引き受けた。ところが、このことを国会で追及された安倍首相は、籠池理事長との関係性を隠すために、“イヤイヤ名誉校長にさせられた”という架空の話をでっち上げたのだ。そう考えなければ、あまりにも籠池理事長や昭恵夫人の言動と整合性がつかない。
周知の通り、昭恵夫人は問題が発覚後、森友学園について無言を貫いている。野党は当事者である籠池理事長や迫田英典・前理財局長の参考人招致を求めているが、昭恵夫人にも国会で喋ってもらわなければならないだろう。もちろん、証人喚問でもし虚偽の言明をすれば昭恵夫人は偽証罪に問われる可能性がある。国民の知る権利のために、安倍首相の虚偽答弁疑惑をとことん追及しなければならない。
(編集部)
最終更新:2017.11.20 06:30