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「家庭教育支援法案」の裏にも…安倍政権と一体化する極右オカルト教師集団「TOSS」の正体

 もはや背筋が凍るような法案だが、しかも、この「家庭教育支援法」の制定には、日本会議だけではなく、教師が会員となったある巨大組織が関わっているという。

 その団体とは、「TOSS」(Teacher’s Organization of Skill Sharing/教育技術法則化運動)。全国1万人超の小中学校の教師がTOSSの会員であるとされ、代表者は元小学校教諭の向山洋一氏。向山氏は「モンスターペアレンツ」などの命名者であるとされ、一部の教育関係者のあいだでは「カリスマ」と呼ばれる人物だ。

 そして、TOSSの公式サイト「TOSSランド」には、昨年開催した「TOSSサマーセミナー2016」に対し、安倍首相と山谷えり子議員からの「応援メッセージ」を掲載。そのなかで安倍首相は、こんな言葉を寄せている。

〈TOSSの指導法が全国に広まるように、支援して参る所存であります〉
〈教育は国の礎であります。そして、教育は皆様教師の力にかかっています。(中略)休日を返上し、自費でTOSSのセミナーに参加される皆様方のますますのご活躍を祈念いたします〉

 公的でもない教師の一団体に内閣総理大臣としてメッセージを送る──。それだけでも親密さが見て取れるが、じつは12年10月に地元・山口県下関市で開かれた「親学推進セミナー」においても、安倍首相はわざわざ「TOSSのみなさんの活動に敬意を持っています」と名指しでエールを送っている。

 なぜ、親学のセミナーに教師の教育団体の名が出てくるのか。じつはTOSS代表の向山氏は「親学推進協会」の顧問であり、「親学推進議員連盟」の事務局長として同連盟の立ち上げに関与。前述の「TOSSランド」においても、〈日本の伝統的な子育てを再度見直し、その子育て方法を学ぶシステムが、今、求められています。それがTOSSの取り組む「親学(おやがく)」です〉と説明するなど、親学を現場の教師たちに推進しているキーマンでもあるのだ。

 トンデモ理論の親学を取り入れているという事実だけでもTOSSに怪しさを感じずにいられないが、疑惑はこれだけではない。TOSSを「安倍教育親衛隊」としてその関係にスポットを当てた「FACTA」17年1月号の記事によれば、TOSSの教えには以下のようなものがあるという。

〈水に「ありがとう」「優しいね」といういい言葉をかければ美しい結晶ができる〉
〈人間の身体は70%が水で出来ているのでお友達にも優しい言葉をかけよう〉
〈米のとぎ汁で作るEMI溶液をプールや川に流すと水質浄化になる〉
〈「傘かしげ」「こぶし腰浮かせ」など「江戸しぐさ」という公共マナーが江戸時代からあった〉

「水からの伝言」に「EM菌」、「江戸しぐさ」……まさにオカルト教育の役満といったラインナップだが、実際、こうしたTOSSの教育題材に対して、以前から批判の声が上がってきた。

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