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世界に知れ渡った「歴史修正主義ホテル」APAの正体(前編)

アパホテルはなぜトンデモ極右思想の宣伝装置になったのか? 「北朝鮮のよう」と言われた経営者一族のホテル私物化と恐怖支配

 まあ、この出来レース疑惑については元谷氏が否定しており、真偽はさだかではないが、いずれにしても、近年、元谷氏は金にまかせて自分の大好きな極右思想や歴史修正主義を喧伝することに夢中になっており、そのひとつのあらわれが、このホテルでの自著の設置、宣伝ということだったのだろう。

 しかし、アパホテルはいまや、傘下に400以上のホテルを抱える巨大チェーンとなり、海外でも事業を展開している。右傾化した日本ではなんの問題にもならなくても、世界では通用しない。

 中国外務省の報道官が「日本国内の一部勢力は歴史を正視しようとしない。正しい歴史観を国民に教育し、実際の行動でアジアの隣国の信頼を得るよう促す」と述べたのはもちろん、くだんの元谷代表の本を音読する動画はYouTubeにも転載されており、欧米諸国でも批判の声が上がっていくのは必至だろう。このままいくと、外国人客の間で宿泊ボイコット運動が起きる可能性もあり、ホテル経営に影響も出かねない。

 ところが、この世界中に日本の恥をさらした結果にも、元谷代表とアパグループは反省する様子はない。それどころか、17日17時頃、アパグループは公式サイト上で、今回の国内外からの批判に対する“反論声明”を公開。書籍撤去の拒否を明言し、逆に〈末尾に本書籍P6に記載しています、南京大虐殺に関する見解を掲載いたしますので、事実に基づいて本書籍の記載内容の誤りをご指摘いただけるのであれば、参考にさせていただきたいと考えています〉と挑発したのだ。

 このアパグループの開き直りについて、「アパホテル、偉い!!」(作家の百田尚樹氏)、「アパホテル、さすがです!」(杉田水脈前衆院議員、なお杉田氏はアパ懸賞論文の第7回大賞受賞者)など、いつもの歴史修正界隈が小躍りし、ネトウヨも「アカヒ新聞!!歴史の事実に基づいて、正確な資料と共に反論してみろ(笑)」「逃げまくるパヨク、出てこい!」などとノリに乗っている。

 まあ、礼賛している顔ぶれを見ると、逆にアパグループの主張のトンデモぶりがよくわかるが、せっかくアパが「内容の誤りを指摘せよ」と言っているのである。次回の記事では、「南京事件はなかった」などと言っている元谷代表の歴史認識がいかにトンデモ陰謀史観であるかを検証しようではないか。あわせて、アパグループと政界人脈、とくに安倍晋三首相との関係にも踏み込んでみたい。
(編集部)

最終更新:2017.11.15 06:19

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