成宮の所属事務所のトップコートは、松坂桃李、菅田将暉、杏、佐々木希など、今をときめく若手俳優やタレントが所属しているが、規模はさして大きくなく、芸能界の後ろ盾も弱いといわれている。
「トップコートを立ち上げたのは、ナベプロ(ワタナベエンターテインメント)の渡辺ミキ社長の妹さんで、いちおう系列ではありますが、お姉さんとの関係は微妙で、ナベプロが後ろ盾になっているわけではない。芸能マスコミとしてはやりやすかったんですよ」(前出・スポーツ紙記者)
さらに、今回の後追い報道の背景には、もっとえげつない芸能界の力学が働いていたとの見方もささやかれている。
「芸能界を牛耳っている大手芸能プロの関係者が、親しいワイドショースタッフやスポーツ紙記者に『どんどんやれ』と煽っていたという話もありますね。トップコートは、菅田がバカ売れしていて、いま、我が世の春状態ですからね、大手芸能プロとしてはおもしろくない。記事そのものを仕掛けたわけではないでしょうが、この騒動を大きくして、トップコートをガタガタにしたいという思惑はあるようです。いまのマスコミの動きもその意向を反映している部分はあるんじゃないでしょうか」(週刊誌記者)
ようするに、「クスリに手を出すなんて許せない」とエラソーに説教している芸能マスコミだが、一皮向けば、その報道は芸能界のヒエラルキーとパワーバランスに左右されているのだ。
実際、今回の成宮報道と対照的なのが、2008年、「週刊現代」(講談社)が報じた嵐・大野智の“大麻3P疑惑”だ。
記事は、大野とカラオケボックスで同席した女性が、参加者の取り出した大麻を大野が「面白いねぇ~」と言いながら楽しげにそれを吸ったこと、その後、カラオケボックスを出て女性2名と3Pとなったことなどを告白。しかも、大野があきらかに“イってる”目つきで女性と写っている写真も掲載されており、その内容はある意味、今回の「フライデー」の成宮記事よりも生々しいものだった。
しかし、この報道について、テレビもスポーツ新聞も一切ふれることをしなかった。記事を否定するという以前に、報道そのものをなかったことにしてしまったのである。
松本人志は前述の『ワイドナショー』で、「クスリってね『あいつクスリやってる』っていわれたら、真っ白はもう無理なんやから」と「フライデー」を批判していたが、大野のケースを見れば、週刊誌の報道だけではどんな決定的なスキャンダルも拡散しないことがよくわかるだろう。
もし、成宮のクスリ疑惑がガセだったら、事務所が弱いからと後追いに踏みきったテレビにも責任があるはずだ。
(時田章広)
最終更新:2016.12.10 03:51