橋下のツイートによれば、「文春」から〈小池塾サイドは1、当初無料と思っていたのに金額を聞いてびっくりしている 2、橋下が東京に行くのだから2回講演をやらせろと言われた、と言っているがどうなのか〉と質問されたという。つまり「文春」は“橋下が小池塾に高額の講演料をふっかけた”という情報を得て、橋下側にあてた。それを受け、橋下は事前にこうしたツイートをすることで記事を潰しにかかった。そういうことだろう。
実際、このトラブルを予見していた人物がいる。元宮崎県知事でかつて維新に所属していたタレントの東国原英夫だ。4日の『バイキング』(フジテレビ)が小池の側近である音喜多駿議員をゲストに呼んで、小池塾が橋下に講師依頼をしたニュースを取り上げたのだが、その際、コメンテーターの東国原が塾の事務局担当でもある音喜多議員にこうつっこんだのだ。
「橋下さんは、(市長)退任後は講演は200万円以下では受けないと公言されています。200万円払うんですか?」
「公言されてますから。知っているでしょ?払うの?会計責任者でしょ?」
この金額には、MCの坂上忍も「それ、払うの?高すぎるよ」と仰天し、「橋下さんが200万なら、他の(講師の)人がなんで俺は10万なんだってなるよ」と、音喜多議員を追撃していた。
音喜多議員は「私はちょっとわかりません」などとしどろもどろになっていたが、ツイートを見る限り、東国原の言うように、橋下は小池塾にもそのまま200万円を要求したのだろう。2回やらせろと言ったのが事実なら、400万円を要求した可能性もある。
自分の講演にこんな値段をつける橋下という男はいったいどういう神経をしているのか。しかも、今回、橋下が法外なギャラをふんだくろうとした相手はそのへんの胡散臭いベンチャー企業や成金経営者の会合ではない。一応、政治の勉強会なのだ。公共性の強い学術研究や政治の講演はボランティアか、安いギャラでやるのが当たり前だろう。
しかも、橋下自身も大阪市長を辞めたとはいえ、まだ、日本維新の会という公党の「法律政策顧問」であり、事実上はオーナーともいわれる公的な存在だ。橋下が維新から顧問料をいくらもらっているかしらないが、自分も一応は、税金から拠出された政党助成金を受け取っている関係者であり、公共に奉仕する立場だ。
それを〈政治家は何で普通の民間的なビジネスができないのだろうか〉などというむちゃくちゃな論理で、200万円のギャラ要求を正当化しているのだから、厚顔にもほどがある。というか、橋下は政治を「ビジネス」と考えているのか。