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水道橋博士が安倍首相を批判してネトウヨから大炎上! 博士が12年前のインタビューで嗅ぎ取った安倍の反知性

 ところが、ネトウヨ連中はこれに顔を真っ赤にして怒り、水道橋博士に襲いかかった。博士の発言は悪質まとめサイトによって加工され、それを読んだネトウヨたちがまた激昂して「パヨク」というよくわからないネトウヨスラングを大量に投じ、水道橋博士のツイッターのタイムラインはぐちゃぐちゃにされてしまった。

 前述したように有名人の政権批判にはなんでもんかんでも噛み付くネトウヨだが、この程度でここまで興奮するのは、いくらなんでも過剰な感じもする。いったいなぜなのか。

 それは博士の言葉が、それこそ「左」からの批判ではなかったからだろう。たとえば、博士は前述の文章で、ネトウヨや安倍応援団に対して〈自分の他人を圧する熱狂すら客観的に見えてないのかって不思議でしょうがない〉とその自覚のなさを批判し、〈右に染まるのは一瞬だけど、リベラルが育つのは時間がかかる〉と、その安易さを指摘している。

 また、この炎上の最中、水道橋博士はこんなツイートもしていた。

〈『永遠のゼロ』を文庫で読んで感激され百田先生のTwitterまでフォローされる方は、読書家なので、同じ文庫で、三十四回講談社ノンフィクション賞受賞作『ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて』(安田浩一著)も読んでみてはいかがですか? 同じ講談社文庫です。〉(原文ママ)

 ようするに、水道橋博士が問題にしているのは、ネット右翼や安倍応援団の極右思想でなく、無知なまま感情に流され、安易に愛国心にすがり、浅薄なデマを信じて拡散する反知性的な姿勢なのだ。だからこそ、「日本はスゴイ!」「反日は死ね!」とわめいているネトウヨたちは愛国ポルノや似非ノンフィクションに浸る前に、本物のジャーナリストが追った“自分たちの姿”を鏡で見てみたらどうか、と挑発してみせたのである。

 いや、ネトウヨに対してだけではない。実は、水道橋博士の安倍首相批判も、根底にはその反知性的態度への嫌悪があるはずだ。水道橋博士は今から12年ほど前、TBSの政治トークバラエティ『アサ秘ジャーナル』の収録で、当時自民党幹事長だった安倍氏をゲストに招いた際、ある映画の話で「言い合い」になったという。

〈(略)マイケル・ムーア監督がブッシュ政権を批判した『華氏911』を見ましたかって聞いたら、安倍さんが「見ていない」と言ったんです。
 まあ、当時、自民党の中で見ちゃいけないというお触れが出ていたらしいんですけど。すかさず「なんで見ないんですか?」と言うと安倍さんは「個人の自由でしょう」って、そのまま「言っておきますけど…マイケル・ムーアは映画でお金儲けしてアメリカンドリームになった人だから」みたいなことを揶揄して言うわけです。〉(「BEST TIME」16年9月22日付)

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