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Kダブシャインが批判を恐れ口をつぐむ日本の音楽状況を批判!「今のアーティストは自主規制を当然と考えている」

 2016年7月12日に放送された『Black File』(スペースシャワーTV)でKダブシャインは、当時のヒップホップが草の根から社会を変えていった姿を現地で見た経験が、自分の音楽像を形成するうえで大きな影響を与えたと語っている。

「80年代からヒップホップが盛り上がって、アメリカの人種差別は大きく変わったじゃない? もちろん差別する白人もいるけど、差別はやめようって言う白人もすごい増えたじゃない? 俺はそれが体現するタイミングでアメリカにいたから、ヒップホップにはそれぐらい社会を変える力があるんだっていうところにすごい感銘を受けたし、それを日本でやりたいって(中略)アメリカでヒップホップが社会をよくできたんだったら、日本でだってそういう可能性はあるよなってまあ、当時20歳そこそこの俺だからそう考えて、いまやってるって感じだよね」

 Kダブシャインのインタビューを読んでいて改めて思い出したのが、先に名をあげたパブリック・エナミーのチャック・Dの「ラップミュージックは黒人社会におけるCNNである」という有名な言葉だ。これは、ヒップホップ・ラップという音楽が、外の世界へ向けてゲットーにおける黒人たちの惨状を伝えるための、持たざる者たちがもつ数少ない武器であり伝達手段であるということを意味している。

 しかも、これは音楽だけではなく、小説、漫画、映画、絵画、演劇などありとあらゆる表現にも当てはまる。日本を覆っている閉塞状況を打ち破ってくれるような、強い批評性を持った表現が出てくることを期待したい。
(新田 樹)

最終更新:2018.10.18 04:02

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