自民党公式HP議員情報ページより
またもや安倍内閣の現役閣僚に“政治とカネ”の疑惑が浮上した。
先の内閣改造で復興相に任命された今村雅弘衆院議員が、2000年〜14年の15年間で、JR九州のグループ会社から計6000万円超の巨額企業献金を受け取っていたことを、「しんぶん赤旗」が明らかにしたのだ。
今村復興相がかつて支部長を務めていた「自民党佐賀県第二選挙区支部」と、現在支部長を務めている「自民党佐賀県衆議院比例区第一支部」の政治資金収支報告書によれば、九鉄工業、JR九州メンテナンス、JR九州フードサービス、三軌建設などJR九州のグループ会社から、05年を除く00年〜14年に毎年、500万円前後の献金が行われていた。赤旗によれば、JR九州グループ会社からの献金総額は6438万円にのぼり、これはこの期間に両支部が受け取っていた企業献金の50パーセント以上の割合を占めるという。
しかも、今村氏は巨額献金の見返りとしてJR九州に便宜をはかっていたのではないかという疑惑が浮上している。
もともと今村氏は国鉄及びJR九州出身で、政界入りしてからは国土交通政務官や衆院国土交通委員長などを歴任。今年にスタートした「政府・与党整備新幹線建設プロジェクトチーム」の検討委員会のメンバーも務めるなど典型的な国交族の議員だ。
一方のJR九州は現在、九州新幹線長崎ルートの2020年開業を目指している。長崎新幹線は今年3月、新幹線と在来線を乗り継ぐ「リレー方式」による暫定開通で自民党と国交省、長崎・佐賀両県側が合意したが、これにともなって新たな線路を新設する「複線化」をめぐっては、地元で線路による地域の分断や、予期される列車の騒音、振動に対する不満の声が上がっている。また、リレー方式は時間短縮がわずか20分程度と見られており、さらに乗り換えも必要となることから、経済効果や必要性の点でも疑問視されている。