また、メリー氏は一番、都合の悪いことは完全に隠していた。それは、飯島氏とジャニーズは一旦、SMAP独立、円満退社で合意していたのに、それをメリー副社長がキムタクを使って、突然、ひっくり返したという事実だ。
メリー氏から“パワハラ解雇通告”を受けた飯島氏は、田辺エージェンシーの田邊社長に相談して、ケイダッシュがバックに付く形での独立話を進めていた(「新潮」はメリー氏への質問の中で、SMAPと飯島氏は当初、田辺エージェンシーに移籍することになっていたのではないか、と訊いて否定されているが、これは「新潮」の間違い。田邊社長は飯島氏に相談を受けた際、本体では受けられないとして、関係の深いケイダッシュを紹介したといわれている)。
そして、SMAPの契約更新を翌月に控えた昨年8月、飯島氏は正式にジャニーズ事務所に対して「SMAPを連れて独立したい」と申し入れ。もちろん、その年の独立は認められなかったが、2016年9月の独立を前提に、細かい条件面での交渉が始まっていた。
ところが、メリー社長は11月から12月になって突如、態度を豹変。「コンサートの営業権は渡さない」と難癖をつけたあげく、「絶対に独立は認めない」と言い出し、これに呼応するようにそれまで態度を明確にしなかったキムタクも突如、「ジャニーズ事務所に残留する」と表明したのである。
そして、メリー氏は仲介者である田邊氏にクレーム。田邊氏が慌てて、ケイダッシュに独立のプロジェクトをストップさせ、飯島氏と4人は完全にハシゴを外され、身動きが取れなくなってしまう。これが、今回の解散危機の真相だ。
だが、メリー氏はこうした事実をネグり、4人が謝罪に来なかったから、こういう事態になってしまったと言い張っている。
しかし、そもそも今回の騒動は責任があるのはメリー氏と木村であり、中居らが謝る筋合いはない。これは原則論的な意味だけでなく、手続き論としてもそうだ。中居らにしてみれば、むしろ、出て行けと言われたのは自分たちで、実際、正式な話し合いも進んでいた。それが、突然、ハシゴを外されて、どうなってるの?と思っていたら、突然、バッシングが始まったわけで、一体何を誰に謝るのかさえ、最初はわからなかったにちがいない。
しかも、ジャニーズ関係者によると、メリー氏の言う「4人が謝罪に来なかった」ということ自体が大嘘らしい。
「SMAPの4人も飯島さんも、暗礁に乗り上げてから、いろんなルートでメリーさんに謝罪をしようとアプローチしていましたし、ジャニーズ事務所内部でもなんとか落とし所を探っていた。ところが、メリーさんが頑として首をたてにふらず、4人に会おうとしなかったんです。世間のジャニーズ批判の声が高まり、スポンサーや政財界からも圧力があったため、ようやくぎりぎりの段階になって、田邊氏の説得を聞き入れ、17日午後、メリーさんはジャニーさんとともに中居たちに会いましたが、それでも『SMAPの存続を認める』とは最後までいわなかった。逆に、『公の場で謝罪しろ』の一点張り。だから、ああいう存続表明のない生謝罪が行われた。あれは、ファンへの謝罪でなく、メリーさんへの謝罪だったんです」