改憲に待ったなしの安倍晋三首相と橋下徹前大阪市長
安倍首相がいよいよ危険な野望をむき出しにし始めた。10日、NHKの『日曜討論』に、安倍首相が出演。夏の参院選について「与党だけでは3分の2は大変難しいが、おおさか維新など改憲に前向きな党もある」「自公だけではなく、改憲を考えている責任感の強い人たちと、3分の2を構成していきたい」と、憲法改正に向けた具体的な戦略を語ったのだ。
自民党が改憲を参院選の公約に掲げることはすでに昨年9月の時点で方針が固まっていたが、一方で、自民党内には安保法制が国民の激しい反発を呼んだことで、「改憲を前面に出したら、参院選は勝てない」と、慎重論も広がっており、実際、安倍首相も、安保法制可決後は「経済中心」を強調していた。
それがここにきて、再び改憲に前のめりになっているのは、2つの理由がある。
ひとつめはやはり、安倍首相の支持勢力の中核をなす極右団体・日本会議からのプレッシャーだ。
本サイトでも何度も指摘しているように、昨年秋、日本会議は櫻井よしこ氏と同会の田久保忠衛会長を共同代表に「美しい日本の憲法をつくる国民の会」というダミー団体を使って、改憲のための世論づくりを本格化。同時に、改憲に慎重になっていた安倍首相と自民党に圧力をかけていた。
11月1日には、日本会議・田久保会長がその「美しい日本の憲法〜」が開いた福岡の集会で、こう安倍首相を牽制している。
「安倍さんに多少ぐらつきがあっても、我々がリードして牽引車にならないと日本国は生き延びることができない」
「参院選で勝ったら、次は本当の安倍晋三が出てくるのではないか」
すると、この9日後の11月10日、安倍首相は同会が開いた「今こそ憲法改正を!1万人大会」にビデオメッセージをよせ、改憲への決意を改めて表明。さらに11月28日、自らが会長を務める保守系超党派議連「創生『日本』」の会合で、「憲法改正をはじめ占領時代につくられた仕組みを変えることが(自民党)立党の原点だ」との演説をぶった。
「安倍さんはたまに現実的な顔を見せることがあるが、根っこはゴリゴリの右翼ですからね。これまで自分を支えてくれた右派、歴史修正主義勢力のことは絶対に切れない。とくに日本会議、櫻井よしこさんとの関係は絶対的で、彼らに何かを働きかけられると、すぐにそちらに引っ張られる」(政治評論家)