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橋下徹に最後まで転がされ、尻尾をふり続けた大阪の新聞とテレビ局…退任会見の醜態をあらためて振り返る!

〈主に読売新聞の橋下府政・市政検証記事への反駁だが、話の流れで他紙の報道へも批判を広げ、言葉とは裏腹に、これまで繰り返してきた持論をまさに「正当化」する主張を一方的に展開。最後には「メディアの検証能力のなさ」と切って捨てた〉

 その一方で、「8年間で最も手強かった敵は?」との質問に、橋下氏は「それはもう府政記者クラブ、市政記者クラブ」と、記者の個人名を挙げながら即答し、「よく勉強していて、よい指摘を受けた」などと持ち上げてみせた。その模様を松本氏はこう評している。

〈冷たく突き放したかと思えば、時々おだて上げる橋下氏の“ツンデレ”に、集まった100人近い記者たちは見事に転がされ、有効な反論も批判も一切しない。というより、できない。橋下氏が大阪の政治行政を牛耳ったこの8年間で、「身内」同然の上下関係が作られ、定着してしまった〉

 あらためて会見の動画を確認すると、松本氏が書いている以上の馴れ合いぶりである。

「エネルギーが枯渇したようにはまったく見えないが」という産経新聞記者の質問に対しては、「枯渇してますよ。この記者クラブの追及にずっと遭わされたらエネルギー枯渇しますよ」と満面の笑みで記者たちを持ち上げ、さらに「全国(の記者クラブ)はなんで(大阪のように毎日の)ぶら下がりとか求めないんですかね。あれ、記者の能力もないんでしょ。質問ようせんのでしょ。たまに東京から政治部だとか名乗ってポッと来て、ロクでもない質問する記者いるじゃないですか。あんなの蹴散らしてやりますけどね」と、記者たちの自尊心をくすぐりつつ、「東京」や「政治部」のような権威には屈しない姿勢をアピールしてみせる。

 それを受けた産経記者が「まだまだメディアを蹴散らしたい、ということでしょうか」とお追従質問を重ねると、「いやいや、もういいです」とさらに笑顔になり、会見場は笑いに包まれる。「だけど府政記者クラブ、市政記者クラブ、優秀ですよ」とあらためて強調する橋下の口調は、まるで論功行賞に部下を褒め上げる上司のようである。

 さらに呆れるのは、松本氏が「橋下を追い回して発言を垂れ流す報道スタイルを作った」と著書で指摘した毎日放送の情報番組『ちちんぷいぷい』である。会見に来ていたアナウンサー出身の毎日放送記者はこんなことを言っている。

「都構想住民投票の(否決を受けた会見の)時に、『ちちんぷいぷい』との関係が一番変わったとおっしゃっていたのを、番組関係者が心配しておりまして……政治家引退後は番組との関係を修復していただけるんだろうか、と」

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