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「あまちゃん」の作曲家もパンクのカリスマも…安保法制と安倍政権にNOを突きつけるミュージシャンたちの深い思い

 沖野は、WORLD PEACE FESTIVALのような音楽を楽しみながら現在の政治状況について考える機会を皆に提供することで、平和の大切さをあらためて感じてほしかったのだと言う。

「MCで『戦争が始まって平和が失われたら、こんな楽しいことできないでしょ?』って言いましたが、それをリアルに感じると思うんです。音楽家が言葉で語ることも重要だけど、あの場所で演奏できるという自由や平和な世の中というものを、来ていただいた方には実感してもらえたかなと」
「戦争が始まったらできないからね。(中略)お越しいただいた方の何人かでも、こんなイベントができる今の状況がどれくらい価値があることなのかを感じていただけたら、やった意味はあると思う」

 まさに、かつて文筆家・吉田健一の残した名言「戦争に反対する唯一の手段は、各自の生活を美しくして、それに執着することである」に通じる主張である。

 さらにもうひとり紹介したいのは、『あまちゃん』(NHK)の劇伴や『ヨルタモリ』(フジテレビ)への出演でもおなじみである大友良英のメッセージだ。

 大友は、こちらも現在発売中の「現代思想」(青土社)15年10月臨時増刊号「総特集・安保法案を問う」に、「自信を取り戻すということ」と題した文章を寄稿。このなかで大友は、震災と原発事故を体験した日本では、多くの人びとが無力感から自信を失っているのではないか、という。自信を回復するには〈失敗に向き合って修復することで傷を治していく〉しかない。しかし、現在の日本では、ヘイトスピーチや原発再稼働、そして安保法案といったものが〈自信回復の特効薬〉に見え、手を伸ばしているのではないかと指摘する。当然、そんなものはまやかしに過ぎない。

 そう綴ったあと、大友は憲法九条を引用する。それを〈世界に誇れる素晴らしい条文〉と褒め称えたあと、〈ただし〉とつづける。

〈戦後なんで戦争をしてしまったのかという問題に向き合うこと無く、経済回復をすることで日本という国が自信を取り戻していったのだとしたら、もしかしたらこの九条があることが、それを考えなくてもいい免罪符になったのかもしれない……ふと、そんなふうにも思うのだ〉
〈祖先が先送りにしてしまった問題のツケを、今僕ら大人は払わなくてはいけないときに来てしまっているんじゃないだろうか〉

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