『東京ディズニーリゾート キャストの仕事』(講談社)
「キャスト」と呼ばれる2万人以上のスタッフが運営を支える東京ディズニーリゾート。本サイトでも繰り返し指摘してきたが、そのうち9割がパートアルバイトなど非正規雇用のスタッフだ。
「東京ディズニーリゾートは青空を背景にした巨大なステージ。ここでは、見るものすべてがショーであり、おとずれるお客さまは『ゲスト』。ゲストを迎えてもてなすスタッフはショーを演じる『キャスト(役者)』と呼ばれるのです」「実際に働くキャストには、どのような職種があり、どんな仕事をしているのか、興味がわいてきませんか」というのは『東京ディズニーリゾート キャストの仕事』(講談社)。
同書では「キャストの職種をすべて紹介!」「働くって、おもしろい!」をコピーにキャストの27の職種とその魅力を紹介している。
そのなかでも「キャスト」らしい「キャスト」といえば、「File01」で紹介される「それぞれの役割を演じてゲストとの一体感を味わうアトラクションキャスト」だろうか。
「2つのパークにある、さまざまなタイプのアトラクションの案内や誘導をするキャストです。アトラクションにはそれぞれテーマやストーリーがあり、キャストは与えられた役割やショーを演じます。アトラクションによって業務内容は若干異なりますが、なかにはスピール(セリフを話すこと)をしたり、シーンにあわせて演技をしたりするものも」(同書より)
「ビーバーブラザーズのカヌー探検」では黄色いシャツに真っ赤なバンダナで、ゲストとともに「カヌーをこいで、アメリカ河の見どころを案内する」。「スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー」では「青にオレンジのラインが映える近未来的なデザイン」のコスチュームで「ハブ・ア・グレートフライト!」とゲストの乗る宇宙船を送り出す。「『信じていれば夢はかなう』というシンデレラの想いが伝わるように」従者のコスチュームで思いやりと親しみをこめてシンデレラ城内を案内するのは、「シンデレラのフェアリーテイル・ホール」だ。
「File02」で紹介されるのは「パークの安全と清潔を守る、おそうじのエキスパート! カストーディアルキャスト」だ。
「パークの清掃をしながらゲストの思い出作りをお手伝い」するカストーディアルキャストは時にはトイブルーム(ほうき)を使って、地面にカストーディアルアート(ディズニーキャラクター)を描くサプライズパフォーマンスも行うこともある。このカストーディアルキャストはそれまで不人気だった清掃業務にスポットライトをあてて、憧れの「キャスト」に仕立て上げた。これはディズニーマジックの功績の1つといえるかもしれない。