収録されている写真では、モデルの女の子たちが酸素ボンベをつけているものもあるが、基本的には何もつけない。となると、水中で息を止めていられるのは、限られた時間だけ。そのなかで切り取られた一瞬の表情には、儚さや美しさがある。写真集には口をすぼめたり、真一文字に結んだりして、息を止めているとわかるものもあるが、口を開けて自然に微笑んだり、あるいは、照れてはにかんだり、とろんとした瞳で色っぽく見つめてくる女の子たちの表情も収録されている。そこが水中であることなんて感じさせないほど自然な表情の彼女たちは、どこか異質な存在で、見る者を惹きつける。
異質といえば、第2弾となる今回、ただのニーソだけでなく、水中専用のメカニーソまで登場。これは、現在放送中のアニメ『ガンダムビルドファイターズトライ』(テレビ東京系)でメカデザインを担当しているNAOKIがデザインしたものなのだが、実は、収録された写真はミニチュアを作ってモデルの女の子と合成したものなのだそう。その写真の女の子の姿は、真っ白い競泳用水着と相まって、プラグスーツやパワードスーツのようにも見えるため、かわいさの中に強さやカッコよさまで感じさせる。2次元好きのなかには、このメカと女の子の組み合わせも大好物という人が大勢いるのだ。
さらに、反射する光、揺らぐ水、浮かんでいる気泡など、水中で撮影された写真には、それだけで幻想的な雰囲気が漂っている。そんな水中で、モデルたちはレインコートを着てビニール傘をさしたり、浮き輪を使ったり、ビキニ姿でマフラーを巻いているのだ。どれもその存在意義を揺るがすような組み合わせだが、その矛盾も含めて、余計に3次元とは別のものに昇華されているような感じがする。
この幻想的な雰囲気やアニメっぽさは、2次元と3次元の狭間にあたる2.5次元的なものといえるのではないか。最近は、声優や中の人、ボカロ、コスプレだけでなく、マンガなどを原作にした2.5次元ミュージカルなど、2.5次元と呼ばれるジャンルが人気を博しているが、その新たなジャンルとして加えてもおかしくない。水中ニーソは、ニッチなジャンルに見えて、うまく時代のニーズに合致したため、ここまで多くの人に受け入れられたのだろう。次はどんなジャンルが登場するのか楽しみだ。
(島原らん)
最終更新:2018.10.18 04:30