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「アイドル共産党宣言」は搾取されるアイドルたちを救えるか?

 ヲタは市場経済の地下水脈に潜行し、地下アイドル化した膨大な数の少女たちと近接的に触れ合うことで、宗教的体験(ドーパミンの分泌)を享受する。そこでは流動性の低い共同体が成立し、疎外から解き放たれる……。持続可能なアイドルを支えるのは持続可能なヲタであるはずだが大丈夫か?なんて無粋なことを思わなくもないが、極北までいけば、みんなアイドルでみんなプロデューサーでみんなヲタ。これはもしかしたら、いかなる革命家もなしえなかった共産主義革命の最終段階「国家の死滅」が実現するということではないか。

「社会的諸関係に対する国家権力の干渉は、一つの分野から他の分野へとつぎつぎによけいなものになり、それからひとりでに眠りこんでしまう。人に対する統治にかわって、物の管理と生産過程の指揮とが現れる。国家は『廃止される』のではない。それは死滅するのである。」(エンゲルス『空想から科学へ』)

 まあ、それは冗談だとしても、この試みが成功すれば、運営がアイドル(ファンも!)を一方的に搾取しがちな現状に、少しはカウンターを浴びせられるかもしれない。

 共産主義のアキレス腱である均一化やサービスの質の低下傾向など、いろいろと懸念はあるけれども、面白い試みであることは間違いない。PIPと濱野プロデューサーの動向に、要注目だ。
(HK・吉岡命)

最終更新:2017.12.07 07:27

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