これは、今回のX投稿だけでなく、国会質問で「寝てない」アピールをした時も同様だ。
たとえば、6月4日の国会で、高市首相は「ほぼ徹夜をいたしました」と発言しているが、その前日3日は、午前国際会議の開会式、午後、衆参本会議に出席するなどしたのち、18:56に公邸に帰っている。
また、誹謗中傷問題で追及を受けている6月22日にも、「今朝までのあいだ、ほとんど睡眠をとっていません」と発言していたが、前日6月21日は日曜日で特別なスケジュールはなく、終日公邸で過ごしている。
首相としては異例とも言えるこんなゆるゆるのスケジュールで、なぜ「ほぼ徹夜」「ほとんど睡眠をとってない」ことになるのか。
高市首相が「休んでない」「寝てない」理由としてやたら強調しているのが前述した“公邸で資料の読み込み”なのだが、これにも相当な違和感が残る。
その典型が7月20日の投稿における、以下の記述だ。
〈7月に入ってからの土日は、公邸で『骨太方針』『日本成長戦略』『地域未来戦略』に関する分厚い資料を早朝から深夜まで読み続け、2週目は与党審査で加筆修正された部分を熟読検討するなど、高市内閣が初めて骨太方針や概算要求段階から関われる令和9年度予算や本格的に取り組める中長期の成長戦略に向けて、半端ない情熱を注いでいました。〉
改めて指摘しておくが、高市首相が早朝から深夜まで読み続けた『骨太方針』『日本成長戦略』『地域未来戦略』は首相が第三者から提案を受けるものではなく、首相が中心となって策定作業を進め、内閣が官僚や国会、国民に提示するもの。そして、今回の3文書は6月25日に経済諮問会議に、26日には自民党に提示され、30日からは与党と有識者会議で具体的な議論に入り、7月21日に正式に閣議決定されている。
つまり、高市首相は自身が策定作業を行い、1週間以上前に提案を済ませた文書とその関連資料を、後追いで「早朝から深夜まで読み続け」たと言っているのだ。
これから検討する政策のために、課題の原因や最新情勢を分析する資料を読んでいるならわかるが、すでに提案を終えて、関係機関で議論に入っている文書について徹夜で読み込むことになんの意味があるのか。
このアピールのおかしさは、松本伊代がアイドル時代、テレビで自分の本について「まだ読んでないのですけど」と発言した面白エピソードに匹敵するのではないか。
しかも、高市首相の問題は、これだけインプットをアピールしておきながら、その成果を、まったくアウトプットしてないことだ。
周知のとおり、高市首相は、国会への出席時間が歴代総理に比べ、突出して少なく、また記者会見や囲み取材にもほとんど応じていない。多忙をアピーした7月1日から7月20日までに、国会に出席したのは6日(いずれも終日とかではなく、合計10時間程度)、取材対応したのは、7月7日の国会から公邸に帰る前の2分、7月17日官邸から公邸に帰る前の4分、合計わずか6分だ。
これでなぜ、「0時間〜3時間睡眠が常態化」するほどの資料読み込みが必要になるのか、意味がわからない。