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“男系男子の皇位継承”は明治期の創作! 旧皇室典範策定時に「男を尊び女を卑むの慣習、人民の脳髄」とトンデモ論で女性天皇を否定

 ここまでの解説で「男系男子は神武以来2600年以上続く日本の伝統」などではないことが十分おわかりいただけたはずだ。明治から昭和初期にかけての大日本帝国の時代の伝統にすぎない。明治初期1889年に旧皇室典範が制定され、戦後1947年に廃止されるまでの、わずか58年間だけのものなのだ。

 戦後に生まれた日本国憲法や、同じ年に施行された新しい皇室典範は、今年で79年。そういう意味では、右派が「日本の伝統」だと叫ぶ、大日本帝国下の天皇制度より、もはや戦後の象徴天皇制の歴史のほうが長いのだ。

 この事実を踏まえれば、改めて右派の論理がいかにインチキであるかがよくわかる。

たとえば、冒頭で、維新の藤田代表も引用していた安倍晋三元首相の「二千年以上の歴史を持つ皇室と、たかだか六十年あまりの歴史しかもたない憲法や、移ろいやすい世論を、同断に論じることはナンセンスでしかない」(「文藝春秋」12年2月)という言葉を紹介したが、歴史的事実に照らせば、こう言い換えるべきだろう。

「79年の歴史しかもたない日本国憲法より、さらに短いたかだか60年足らずの歴史しかもたず、その短い期間で日本と皇室を滅亡の危機に追い込んだ“男系の皇統”というフィクションを、その滅亡の危機から80年かけて積み上げてきた象徴天皇制や戦後民主主義より、優先するとはとても正気の沙汰じゃない」

 正気の沙汰じゃないのは、もちろん安倍元首相だけでなく、今回、36親等以上も離れた民法上の「親族」ですらない赤の他人を養子として皇族に迎えるという時代錯誤のトンデモ皇室典範改定を強行した、高市首相や麻生太郎副総裁、維新・藤田代表らも同様だ。

 彼らに共通しているのは、日本の伝統や天皇に対する敬愛など、微塵もないということだ。

 参院特別委員会で「なぜ女性ではダメなのか?」「なぜ男系男子にこだわるのか?」を問われた木原稔官房長官が1分近く何も答えられなかったが、木原官房長官以外でも、高市政権でこの問いにきちんと答えた人間は一人もいない。

 それは彼らの本音が、とても口に出せるようなシロモノでないからだ。もっといえば、皇室を軍国主義、独裁体制構築に利用しようと女性差別丸出しの論理で男系男子の皇位継承を制度化した井上毅と同じだからだ。

 そういう意味では、今回のトンデモ改正は皇室の在り方にとどまる話ではなく、安倍政権から引き継がれてきた戦前体制の復活と、戦争で国民に血を流させる国づくりの号砲と言ってもいいだろう。国連に言われるまでもなく、白紙撤回を求めて徹底的に批判していく必要がある。

最終更新:2026.07.19 09:45

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