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「自衛隊は経済的に厳しい子が」は間違ってない! 貧困層を標的にした自衛隊員募集、やす子、山上被告も…日本でも進む“経済的徴兵制”

 こうしたデータや証言だけを見ても、日本の自衛隊に「経済的徴兵制」の構造があることは十分うかがえるが、しかし、もっと決定的なのは、当の防衛省・自衛隊が明らかに「経済的に厳しい子どもたち」を狙って、隊員の募集活動を行っているという事実だろう。

 たとえば、2014年7月、集団的自衛権の行使容認が閣議決定されたあと、全国の18歳を対象に自衛隊の募集案内が一斉に郵送され「赤紙が来た」などと大きな話題となったことがあったが、今回、改めて注目したいのは、その案内状だ。

 案内状には、隊舎では家賃はもちろん、食費、光熱費、水道料金といった生活費がすべて無料であること、入隊10年後の月収が自衛官候補生なら約34万円、一般幹部候補生なら約38万円になることなど、地域によって内容は異なるものの、経済的メリットを強調する宣伝文句が溢れていた。

 もっと露骨だったのは、2022年12月8日放送の『報道1930』(BS-TBS)が報じた、北海道の陸上自衛隊駐屯地の職場見学ツアーの様子だろう。

 このツアーには、道内の中学生や高校生とみられる若者を中心とした男女30人が参加していたのだが、番組では、装甲車への体験試乗をする様子のほか、隊員募集活動を行う職員が、こどもたちに向かって、ステーキなどの食べもの写真のパネルを掲げながら、こんなアピールをする姿が流されていた。

「自衛隊に入れば365日無料でごはんが食べられます」
「クリスマスにはローストビーフやひとり1個のケーキ」
「自衛隊記念日にはステーキひとり1枚」

 また、拡大した給与明細のようなものを見せ、「12月に81万1311円のボーナスがもらえる」「今月だけで120万円くらい支給されます」「(自衛隊は)非常に給料も充実している」
と給料の高さもアピールするシーンもあった。

 採用のための説明会はどの企業もやっているが、こんな露骨に経済メリットをアピールしている企業があるだろうか。しかも、この時代に「365日無料でごはん」「クリスマスにケーキ」「記念日にステーキ」などを強調するのは、毎日満足にご飯を食べられない貧困層をターゲットにしているとしか考えられない。

 番組には、ゲストとして河野克俊・元統合幕僚長が出演しており、「全世界に言えることなんですけど、景気のいいときは民間企業に流れて、景気が悪くて民間に職がないときは軍隊とか自衛隊に来るというのは、一般的な流れ」と弁明していたが、実は、日本の自衛隊の募集は海外に比べても、経済的メリットをアピールする傾向が強いといわれている。

 前出のジャーナリスト・布施氏は前掲のインタビューのなかでこんな事実も指摘している。

「自衛隊のリクルートは、恐らく世界で最も経済的メリットをアピールすることに比重を置いていると言えます。たとえば自衛隊札幌地方協力本部のリクルート用資料には、『1日3食、栄養バランスの取れた食事』『宿舎費無料』『被服寝具等は支給』『自衛隊医療機関は無料」「生活に必要なものはほぼ職場で提供されます」などと書かれています。経済的なメリットを打ち出して、何とか隊員を集めているという状態です」

「自衛官の人たちに取材すると『チホン(地方協力本部)のリクルーターに騙された』と多くの人が言います。地方協力本部とは、隊員のリクルートを所管している自衛隊の機関で、全都道府県に置かれています。ここのリクルーターに騙されたと言うのです」

 そう、前出のボブ・フィッチ氏が、米国の新兵募集について指摘した「進学や就職などの選択肢がなく、金と仕事に困っている若者を標的にした貧乏人の徴兵制」がまさに、日本でも行われているのである。

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