データだけではない。実際に、貧困が理由で自衛隊に入ったと証言している入隊者も少なくない。
その代表的存在とも言えるのが、安倍晋三元首相を銃撃した山上徹也被告だ。
周知のように、母親の統一教会への多額の献金で家庭が崩壊したことに恨みを持って犯行に及んだ山上被告だが、奈良県内有数の進学校出身であるにもかかわらず、高校卒業後、大学進学を断念。その後、自衛隊に入隊していた。そして、2025年11月におこなわれた一審の被告人質問で、自衛隊に入隊した理由について問われた山上被告はこう答えていた。
「兄と妹を養っていかなければいけないと感じた」
自衛隊出身を売りにするお笑い芸人のやす子も経済的理由で入隊したひとりだ。
やす子は幼少期、母子家庭で育っていたが、一時は食べるものにも困るほどの生活苦で、児童擁護施設に入ったのち、自衛隊に入隊している。2024年6月に『人生が変わる1分間の深イイ話2時間SP』(日本テレビ)に出演したやす子は、その理由についてこう語っていた。
「住む所があるところに暮らそうと思って、衣食住そろってるのが(地元の)山口県はパチンコ屋さんと自衛隊しかなくて」
今年2月放送の『おかべろ』(関西テレビ)に出演した際は、もっと詳しく入隊の動機が生活のためだったことを語っていた。
「18歳の時は児童養護施設に住んでて、就職しかできないんですね、進学ができなくて。かつ、自分は当時保護者が居なかったので、住むところがなくて、保証人が居ないので携帯も借りれなかった」
「ほんとうにもう、生きるためというか“助けてくれー”って思いで入りました」
実際、ネットでは今回、やす子と同じような境遇で、自衛隊に誘われたという証言が相次いでいる。
〈養護施設育ちだけど、高校生までしか施設にいちゃいけなかったんで、親なし家なしの自分らには自衛隊って選択肢は普通に提示されてた 別に不名誉だとは思わなかったし、ただ『環境(お金)』が人生を選択肢を決めるのは当然だと受け入れてたよ〉
〈言い方は問題あったと思いますが それが現実です
事実自衛隊の募集広告には 3食ご飯付き、お給料も貰え 免許証も取得できますでした
児童養護施設の退去年齢者には2期満期除隊でかなりの退職金がでますと勧誘してました〉
また、前衆院議員の米山隆一氏は自身が自衛隊出身ではないが、今回の古賀議員を擁護する6月16日のポストで、自衛官だった父親の入隊が経済的理由だったことを明かしている。
〈表現は不適切ですが、私の父を筆頭に実際問題経済的理由による任官は少なくなく、直後に謝罪撤回している以上過度に論うのは違うのではないかと思います。又、古賀議員への批判が、経済的理由による任官の問題を隠す事に使われるなら、それは本末転倒だと思います〉
〈私の父を始め経済的理由による任官(入隊)は実際問題少なくなく、古賀議員への非難でその問題を糊塗するのは誤魔化しです〉