ところが、マスコミの中には、こうした参政党の主張を批判するどころか、擁護的な姿勢をみせるキャスターやコメンテーターが出てきている。
その代表例が、『Nスタ』(TBS)のキャスターを務める井上貴博アナウンサーだ。井上キャスターは21日放送の同番組で、こう発言した。
「もちろん差別とか排外主義は断固反対ですし、ノー。でも、その一方で『日本人ファースト』という言葉を聞いて、即、これは差別だと過剰反応するのは、私は個人的に違和感があって」
「きれいごとに聞こえるかもしれないけれど、最終的にどんな相手であっても、対話はあきらめちゃダメな気がする。それを排除してはダメだし、だからこそ我々、テレビ報道も結果的にそこに汲みしていることはないかということを自問自答すべきだし」
参政党が選挙期間中、「日本人ファースト」というスローガンのもとにさんざん外国人に対するデマを垂れ流し、排斥感情の扇動をおこなってきたことが可視化されたにもかかわらず、同党の主張に対し「差別だ」と声をあげることを「過剰反応」として扱うことは、参政党がおこなう主張の差別性および悪質性の矮小化にほかならない。その差別性や悪質性を理解していないからこそ、「対話しろ」「排除するな」などと言えるのだろう。
だが、参政党に対して、その井上アナよりもっと露骨にすりよった人物がいる。ほかでもない爆笑問題の太田光だ。
太田は参院選開票日に放送された『選挙の日2025』(TBS)のスペシャルキャスターを務めたが、番組中に神谷氏と中継を繋いだ際、こう述べた。
「神谷さんは『日本人よ、目覚めよ』という意味で、あえて強い言葉を言っていた」
「その言葉をそのまんま受け取って、本当はじつはそこまでではないのに、強く言っていた言葉を『神谷はこう言っていたんだ』ということで、先鋭化している状態がいまあるのが現実だと思うんですね」
繰り返すが、参政党および神谷代表は選挙期間中、外国人にかんする数々のデマを公然と振り撒き、排外的感情を扇動してきた。ところが、太田はそのデマもグロテスクな差別も一切批判せず「あえて強い言葉」などと正当化したのである。