まず、折田氏は「note」の記事において、冒頭から〈斎藤陣営で広報全般を任せていただいていた立場〉だったと宣言。〈とある日、株式会社merchuのオフィスに現れたのは、斎藤元彦さん。それが全ての始まりでした〉とし、こう記していた。
〈政党や支持母体などの支援ゼロで本当にお一人から始められた今回の知事選では、新たな広報戦略の策定、中でも、SNSなどのデジタルツールの戦略的な活用が必須でした。
兵庫県庁での複数の会議に広報PRの有識者として出席しているため、元々斎藤さんとは面識がありましたが、まさか本当に弊社オフィスにお越しくださるとは思っていなかったので、とても嬉しかったです。〉
〈ご本人は私の提案を真剣に聞いてくださり、広報全般を任せていただくことになりました。〉
実際、「note」記事では〈merchuオフィスで「#さいとう元知事がんばれ」大作戦を提案中〉というキャプションとともに、斎藤氏が折田氏のオフィスで会議をおこなっている写真を掲載。このとき斎藤知事に提案したという「兵庫県知事選挙に向けた広報戦略のご提案 #さいとう元知事がんばれ」という資料の一部も公開している。
さらに「note」記事では「SNSアカウント立ち上げ」および「SNS運用」について、このように述べられている。
〈当時、世の中は100%の反斎藤ムード。
一方、少数ではあるものの、Xなどで斎藤さんを応援する声がチラホラ出初めておりました。
プロフィール撮影やコピー・メインビジュアルの作成が完了したタイミングで、【公式】さいとう元彦応援アカウントを立ち上げ、ご本人のSNSアカウントとは別に、応援したい人が集えるハブとして運用を開始しました。〉
〈斎藤陣営が公式として運用していたのは、以下のX本人アカウント、X公式応援アカウント、Instagram本人アカウント、YouTubeです。(中略)私のキャパシティとしても期間中全神経を研ぎ澄ましながら管理・監修できるアカウント数はこの4つが限界でした。〉
私が全神経を研ぎ澄ましながら管理・監修した。この一文からも、折田氏が斎藤陣営のSNS運用を主導していたことがうかがえる。
折田氏はこうも綴っていた。
〈私が監修者として、運用戦略立案、アカウントの立ち上げ、プロフィール作成、コンテンツ企画、文章フォーマット設計、情報選定、校正・推敲フローの確立、ファクトチェック体制の強化、プライバシーへの配慮などを責任を持って行い、信頼できる少数精鋭のチームで協力しながら運用していました。写真および動画の撮影については、現地で対応してくださっているスタッフの方々にお願いすることをベースに、私自身も現場に出て撮影やライブ配信を行うこともありました。〉
SNSの運用を監修し、そのうえ折田氏自身も現場に出て、公式SNSに投稿するための撮影やライブ配信を行っていた──。こうした記述から、ネット上では「これは完全に選挙運動員ではないのか?」「報酬を支払っていたら買収でアウト」という声があがったのである。
しかも、法律家も同様の見方を示している。実際、「J-CASTニュース」の記事では、弁護士法人ユア・エースの正木絢生代表弁護士が「事務作業に留まらず広報全般を任せているなら、それは単なる事務員などではなく、選挙運動員に当たる可能性が高くなるように思います」「もしも齋藤氏から株式会社merchuにお金が払われていたりしたなら、公職選挙法違反になる可能性があります」と指摘している。